*7*
「昌平なのか・・・・・・!?」
アバターの昌平は、しばらくして
【昌平:そうだよ】
と、答えた。
「どういうことなんだ・・・・・・!?」
「このゲームは死者の願いを叶えるために作られたもの。
拓郎さんのような人達において行っているわけじゃない。
死者は死んだあと、一つだけ願いを叶えることができるシステムがあります。
このゲームを使ってです。
そのシステム管理者が、私、ローズ・ミレーユです。
昌平さんは、拓郎さんに会いたいと願いました。」
【昌平:拓ちゃん、久しぶりだね】
【拓郎:昌平・・・・・・。すまなかった】
【昌平:何が?】
【拓郎:俺があの時あんなことしていなければ昌平は・・・・・・】
【昌平:大丈夫。もう大丈夫なんだ。拓郎は、もう自分自身のために
しっかり生きてくれ。】
【拓郎:昌平・・・・・・。】
【昌平:拓郎会ってくれてありがとな。俺は嬉しかったよ。
またいつか会えるかな】
【拓郎:会えるさ、きっと・・・・・・!】
【昌平:拓郎、俺にはもう時間がない。】
【拓郎:行くのか・・・・・・?】
【昌平:ああ。今まで楽しかったよ。そして会えてうれしかった。】
昌平は、最後に微笑みながら、消えて行った。
アバターにも感情があるっていうのか。
「拓郎さん、これで私の使命は終わりました。
本当はリセットをしても死にません。」
「・・・・・・そうなのか。」
「短すぎましたが、あなたともここでお別れとなります」
全てが、放たれた瞬間だった気がする。
自分の素が久しぶりに。
翌日。
俺はいつも通りの生活に戻っていた。
いや、いつも通りではないかもしれない。
まず変わったことが色々ある。
母親とあまり話さなかった俺だが、
リビングに降りて、一緒に食事をとるまでに変化した。
そして、定時高校でも、友だちができた。
博信と、明彦だ。
この2人とも、ゲームの話やアニメの話などで盛り上がったことから、
友だちになることができた。
最後にもう一つ。
俺は、今まで怖くて行けなかった
昌平の墓参りに行き出した。
今のところ毎日だ。
「昌平・・・・・・俺、お前のおかげで変われたよ。
本当にありがとな」
冬の空は青々としていて、
とても風が冷たい。
そんな中、冷たい風に負けじと、昌平が空で温かい笑みをこぼしているように見えた。
END
初めまして。あっぷるんと言います。
今まで小説を書いていても、何回も挫折の繰り返しでした。
ですが、このgame worldは無事に完結することができました。
まず、主人公の拓郎君ですが、これは私をモデルにしてます。
拓郎君は昌平君のことがあって、人と関わるのが苦手なのですが、
私は元から人と関わるのが苦手だったりします。
そして、ローズ・ミレーユ。
彼女は、あの世のシステム管理者だったのですね。
とてもいい子ですが、彼女にはまだ謎が多いですね。
その点について、また番外編を書きたいなと思います。
拝見ありがとうございました。
あっぷるん