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しばらくすると、黒ベースの背景に白文字が現れた。
【ようこそ★このゲームは貴方自身が主人公となっています。
貴方の現実の世界がそのままゲームになっています。
では、まずは写真を撮りまーす!】
「写真!?IJにはカメラ機能が付いていないは・・・・・・」
言い終わらないうちにカシャッと音がして、
テレビ画面には、俺の情けない顔が晒されていた。
【この写真を元にあなたそっくりのアバターを作ります★
Now Loding・・・・・・】
何なんだこれは。
アバター?やっぱりこれは生活系のゲームなのか・・・・・・?
しばらくすると、俺そっくりのアバターが表示されていた。
というか、本当に俺じゃないのかっていうくらいそっくりすぎる。
【今さっき撮った写真で、貴方の世界の全てを把握できました。
貴方の名前は、鈴木拓郎さん。家族は母子家庭の一人っ子。定時高校に通っていて、
仕事はしていない。友達は0。その他貴方が住んでいる町も把握完了です★】
どうしてだ・・・・・・?
どうして俺の名前がわかる?
家族構成がわかる?
俺の事がわかる?
俺の住んでいる場所がわかる?
【それはですねー、このゲームは貴方が主人公だからです。】
「え!?会話もできちゃうわけ!?」
驚いた。こんな最先端すぎるゲームは見たことない。
【後、ゲームをリセットした場合、貴方自身死ぬことになりますのでご注意ください。
そしてこのゲームは、貴方の現実と一緒です。
その日あった出来事全てが、このゲームでも起こります。】
「そんなバカな・・・・・・。俺は信じないぞ。
そんなこと絶対に」
途中から状況把握ができていない。
待て。
俺。
落ち着け。
ただのゲームだ。
【信じられませんか・・・・・・。よいしょっと】
文字が「よいしょっと」と言った瞬間、少女が画面に出てきた。
ピンクのツインテールの。
「お前文字じゃなかったのかよ!?」
「違いますうー。私にはちゃんと名前があります!
名前は、ローズでーす!では、拓郎さん、まずはゲームを始めてみてくださいな。」
ローズねえ・・・・・・。
まあ名前には突っ込まないでおこう。
ローズに言われるがまま渋々ゲームを始める。
最初はやっぱり自分の部屋から始まるだろう・・・・・・
・・・・・・。
【トイレの音:ジャー
拓郎:ふうーすっきりした~】
なぜトイレからなんだ。
「拓郎さん、今朝トイレ行きましたね~?
だからトイレから始まっちゃってるんですよお~
プププププッ」
ローズが笑いをこらえている。
俺は顔から火が出そうになったがなんとかこらえる。
「ちなみに大ですか小ですか!?」
「・・・・・・そこ突っ込むか・・・?」
涙目になってるよー俺絶対なってるよー。
【拓郎:さあ今日も、ニート活動開始だ!】
「おい、俺はこんなこと言わないぞ。
つか、何がニート活動開始だ!なんだよ!
俺ニートじゃないしー!!」
「拓郎さんはもうニートの手前ですよ」
もう知らねえ・・・・・・。
とりあえず、まあ、頑張るか。
「なんて言ったけど、やっぱ無理だわ・・・・・・。」