表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/100

88.決断

88.決断


 康祐が尾崎家を訪れると、珍しく尾崎の姿があった。

「週末に休みが取れるなんて珍しいですね」

「実は、ジェノアは辞めたんです」

「と言うことは、もしかして?」

「はい。自分の店を出すことになりました」

「それはおめでとうございます。それで、どちらに?」

「九段に」

「じゃあ、うちの近くじゃないですか!オープンはいつですか?是非、伺わせてください」

「来月1日です。今度の店はジェノアのような高級店ではなく、大衆向けのイタリアンなので、気軽に寄って下さい」

「それは何よりです」

 その日は尾崎が新しい店に出す新メニューを披露してくれた。康祐たちは腹がパンクしそうなほどご馳走になった。


 和美と達雄は映画を見た後、いつもの様に食事をしていた。

「明日の予定は?」

 達雄が翌日の予定を聞いてくるのはこれが初めてのことだ。

「何も無いわ」

「じゃあ、今日の門限は?」

「私がいくつだと思ってるの?門限なんかあるわけないじゃない…。ねえ、それって…」

 和美が言い終わる前に達雄は和美の前に鍵を差し出した。

「君のために部屋を用意したんだ。いつでも好きに使ってくれ。そして、出来れば、今夜はその部屋で僕と一緒に過ごして欲しい」

 和美はテーブル越しに達雄に抱きついた。グラスが倒れ、箸が宙を舞った。周りの客の視線が一斉に和美たちのテーブルに注がれた。和美はそんなことになどお構いなしに達雄にキスをした。


 達雄は決して上手だとは言えなかった。しかし、和美は満足していた。これから少しずつ達雄との距離を縮めて行こう。今の仕事はもう辞めよう。康祐の顔を見ていると、未練が残りそうだから。私はこの人の気持ちに応えてあげたい。和美は心の底からそう思った。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ