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83.結局…

83.結局…


 業務終了後、社内の娯楽室でホームパーティーの様な形でのお祝いの会が始まった。康祐はこういった飲み会を社内でやるのは初めてだった。外での飲み会になると、個人の負担も大きいからと和美が高田に提案したと言う事だった。会費¥1500で和美がやりくりして十分飲み食いできるだけの品物を用意している。これには康祐も驚いたし、社長の高田も感心していた。

「笹田さんは仕事もできるし、よく気が付くし。どうだろう?正社員としてやってみる気はないかい?」

 高田はそう言って、和美の紙コップにビールを注いだ。

「正社員ですか?うーん、どうしようかな…」

 和美は悩んでいるような素振りをして、ちらっと康祐の方を見た。

「ああ、佐久間君の奥さんのことを気にしているのか?それなら心配ないよ。君を採用したからといって、彼女を辞めさせるようなことはしないから」

「少し考えさせてください。今の会社のこともあるので」

 和美はひとまず、そう答えてお茶を濁した。


 パーティーが終わると、高田は康祐に声を掛けた。

「久しぶりに寿司でも食いに行くか」

「いいですよ。今日はとことんお供しますよ」

 二人のそんな会話を聞いていたのか、和美がそこへ割って入って来た。

「いいなあ!私もお寿司食べたいなあ」

「そうか!じゃあ、3人で行こう」

「やった!」

 和美は高田の腕にしがみつきながら康祐の方をちらっと見た。康祐は嫌な予感がしたけれど、高田が連れて行くと言うものを断るわけにもいかない。和美をたしなめる意味で、一つ大きく咳払いをした。それに気が付くと和美は康祐にウインクをして返した。


 案の定、康祐が和美を送る羽目になった。高田は麻美の旦那から呼び出されて先に店を出た。その時点で既に、電車は走っていなかった。和美はカウンターで酔いつぶれている。和美に住所を聞き出してタクシーに乗せた。ところが、和美に手を掴まれ、タクシーに引っ張り込まれた。けれど、和美は意識が朦朧としているようで、康祐は仕方なく和美を家まで送り届けることにした。和美は康祐の肩に体を預けるとすぐに眠ってしまった。






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