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81.尾行

81.尾行


 宮下は松井達雄を尾行していた。和美と別れた後を尾行していた。とは言え、和美をストーキングしていたわけではない。達雄を尾行しているのにはわけがあった。


数日前、宮下はいつもの様に、出社してきた和美に声を掛けた。

「おはよう!」

「おはとうございます」

 そっけなく返す和美。まあ、いつものことだ。けれど、なぜか気になって仕方ない。あの夜以来、妙に意識してしまう。あれは酔った勢いでのことで、割り切って考えなければならないのは理解しているつもりだったのだけれど、どうやら、好きになってしまったようだ。宮下は改めて、そう感じた。

 その日の昼時。食事に出ようと席を立った宮下に和美が声を掛けた。相談があるので、一緒に食事をしようと。断る理由は無い。宮下は喜んでその申し出を受けることにした。

「男の人が女性を部屋に呼びたがらない理由って何かしら?」

 唐突な和美の質問に宮下は一瞬、身構えた。その男の人とは自分のことでは無いなと。そんな相談になら乗るのではなかったと少しだけ後悔した。けれど、乗ると言ったからには、いい加減なことを言うわけにはいかない。

「そりゃあ、奥さんが居るからじゃないか?」

「それがね、独身だというのよね。で、今は部屋がないんだって」

「じゃあ、何?ホームレスだとでもいうわけ?」

「それが判らないから相談してるのよ。その人、どんな暮らしをしているのか…」

「じゃあ、調べてみる?」

 言ってしまった以上、引っ込みがつかなくなってしまった。日曜日、和美が彼と別れた後を尾行して彼の家を突き止める約束をしたのだ。


 達雄は青山の小さなマンションに入って行った。オートロックになっていて、建物の中には入れなかったが、メールボックスのネームを見ていくと、『ホワイトキャッスル/松井達雄』というのを見つけた。308号室だ。ワンルームがメインで事務所で使っている部屋ばかりのマンションだった。この時間にここに来るということは、仕事できたのではなさそうだ。ということは、ここが松井の事務所兼自宅なのだろう。

 ちなみに、『ホワイトキャッスル』というのをネットで調べてみたところ、輸入品を取り扱うネットショップでかなりの収益があることもわかった。宮下は調べたことを全て和美に報告した。







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