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53.自宅待機

53.自宅待機


 翌日、小田切が出社してくると、康祐は昨夜、小田切が忘れた携帯電話を差し出した。

「やっぱりここだったのか」

 そう言って携帯電話を受け取る小田切に、康祐は昨夜の出来事を報告した。現場でのトラブルのことと自宅に電話してしまったことを。

「参ったなあ。それで、女房は何か言ってたか?」

「博子が上手くごまかしたから大丈夫だと思いますけど…」

 それを聞いて安心したのか、小田切はそのまま現場へ出かけて行った。心配そうに見送った康祐のそばに博子がやって来て言った。

「大丈夫かしら。奥さんに疑われたりしないかしら」

「君が気にすることじゃないよ。それにしても、小田切さんは家にも帰らず、どこで何をしていたんだろうな」

「決まってるじゃない。女のところよ」

「えっ?小田切さんに限ってそれは無いだろう」

「だって、いつも持ってくるお弁当、あれは絶対、女の人が作ったものに違いないもの」

 何かややこしいことにならなければいいが…。康祐はそう思った。


 その日の夜、小田切は自宅に帰った。

「あら、どうしたの?出張は終わったの?」

「いや、昨日のトラブルで作業がストップになったんだ。落ち着くまでこっちで待機することになった」

「それなら、そうと言ってくだされば夕飯を用意したのに」

「うん、でも、今日は外で済ませてきた」

「それならいいですけど…。あの、私はこれからお友達とカラオケに行くことになっているので出かけますよ」

「ああ、ゆっくりしてくるといい」

 妻の房子が出かけたのを確認すると、小田切は携帯電話を手にした。


 志穂は店の厨房で隠れるように小声で話をし、話が終わると携帯電話を置いてカウンターの客の前に戻った。

「今日はお店が終わったら、何か美味しいものでも食べに行きたいわねぇ」

「本当に?やっとその気になってくれたみたいだね」

 カウンター席に居たのは、常連客の一人で、来るたびに志穂を口説いていた男だった。





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