表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/100

49.新婚旅行は一度だけ

49.新婚旅行は一度だけ


 バルコニーからは南国特有の乾いた風が入ってくる。

 康祐と博子はホテルに着くなり、荷物を放り出しバルコニーのドアを開けた。

「やっぱり新婚旅行は南の島だよね」

 そう言って博子は康祐の腕にしがみついた。

「いまどき新婚旅行でグァムなんて、珍しいね。普通なら、1週間休みを取ったんだから、オーストラリアやヨーロッパじゃない?」

「ううん、あなたと一緒ならどこでも構わないんだけど、一生に一度の新婚旅行だもの。想いっきり贅沢したいのよ。あちこち観光して回るよりも二人だけの時間を大事にしたいわ」

「それは光栄だね。まあ、おかげで、こんな部屋に泊まることが出来るんだけどね」

 二人が宿泊するのは人気のリゾートホテルでオーシャンビューのデラックススゥイート。ここに4泊する予定だ。限られた休暇を有意義に使うために、近場のリゾート地を選んだ。その分中身を豪華にしたいと博子が希望したのだ。


 結婚式は盛大に行われた。参列した者は一様に“いい式だね”と讃えてくれたのだけれど、博子は思ったほど感動しなかった。ただ、進行に従って事務的にこなした…。そんな感じだった。

二週間前に康祐がしてくれたことがあまりにも感動的だったから。

 二次会は夜中まで盛り上がった。ホテルに着くと、二人ともシャワーも浴びずにベッドに倒れ込んだ。

 翌朝は早起きをして身支度を整えると、ホテルのモーニングを取ってから成田に向かった。


「一生に一度か…」

 康祐が呟いた。

「そうよ。一生に一度。有り得ないとは思うけれど、二度結婚することになったとしても新婚旅行には二度と行かないわ」

「なんだか複雑な心境だな」

「あなたのことをどうこう言っているわけではないのよ。私のポリシーの問題なの。それより、ホテルの中を見学しに行こう!」

 そう言って博子は着替えるために部屋の中に戻っていった。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ