22.朝食を一緒に
22.朝食を一緒に
康祐はとりあえず博子をベッドまで運んだ。運んだはいいが、その後どうするか…。博子は無防備な姿でベッドに横たわっている。まさか、そんな博子を残して鍵もかけずに部屋を出るわけにもいかない。
そんなことを考えていたら、いきなり博子に腕を掴まれた。康祐は思わず博子を見た。
「もう、遅いわ。泊まって行って…」
目をつぶったまま博子はそう言うと、掴んだ手を離し、寝返りを打った。
「寝言か…」
康祐はベッドの横に腰を下ろし、博子が気が付くまで待つことにした。
ふと、目を覚ました博子は時計に目をやった。午前4時25分。
ここは自分の部屋。部屋の電気がついている。服はそのまま。博子は記憶をたどりながら辺りを見渡した。
「あっ!佐久間さん…」
思わず声を出すと、ベッドにもたれかかって転寝をしていた康祐が目を覚ました。
「やあ、気が付いたね。気分はどう?」
「いやだ、私ったら…」
まだ酔いが醒めていない赤い顔が更に赤くなった。
博子はシャワーを浴びて出てくると、康祐にもシャワーを勧めた。康祐は着替えがないからと断った。そして、一度家に帰ると言った。
博子はコンビニで買ってくるからと言い、康祐にシャワーを浴びさせた。
なんてことかしら。せっかく彼が来てくれたのに酔っぱらって寝ていたなんて一生の不覚。博子はコンビニへ行って戻ってくるまでの間、ずっとそのことを悔やんでいた。
部屋に戻ると、康祐が腰にバスタオルを巻きつけたまま、キッチンに立っていた。
「ああ、ゴメン。ちょっと借りてるよ」
康祐はオムレツを作っていた。
「せっかく朝まで一緒に居たんだ。朝食を一緒に食べようと思って」
博子は恥ずかしくて、けれど、嬉しくて康祐の背中に抱きついた。




