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21.意識が…

21.意識が…


 博子のアパートは鉄骨造の3階建。その3階に博子の部屋はあった。

 康祐は背中に博子を担いで階段を上っていく。


 博子は康祐のいる店に着いたとき、かなり酔いが回っていた。もともと酒が強い方ではない。

 この日は料理教室の食事会でビールを二杯、ファミリーレストランでデキャンタのワインを飲み干している。

そして、自分の名前が書かれたボトル。康祐が作ってくれた焼酎のお茶割を一杯飲み終える頃には意識がもうろうとしてきた。すぐに康祐にもたれかかり、眠ってしまった。

「おい、大丈夫?」

 かすかに康祐の声が聞こえる。しかし、博には瞼を開く気力はなくなっていた。

「しょうがないな…」

 少し時間が経てば回復するだろう。康祐はそう思い、しばらくそのままにして一人で飲み始めた。


 結局、博子は回復することなく、閉店時間が過ぎた。康祐は何とか博子を起こし、店を出たものの、博子はまともに歩けなかった。まさか、こんな状態の博子を自分の家に連れて行くわけにもいかない。

「ねえ、君の家はこの近くなんだろう?送っていくから道を教えてくれる?」

「いいですよ…。新大橋通りの向こう側の……の前の3階建です…」

 博子はそういうと、康祐の背中でまた意識をなくしてしまった。

 まあ、なんとかなるか…。そうして康祐は博子を背負ったままそのアパートを探し当てた。


「着いたよ。君の部屋はどこ?」

博子は一周顔を上げ、部屋の方を指差した。博子が示した方へ歩いていくと、303号室のプレートに“岩崎博子”と書かれていた。

康祐はゆっくり背中から博子を下した。博子は康祐にしがみつくようにしてバッグから鍵を取り出した。そして、部屋に入ると、そのまま倒れこんで眠ってしまった。

「おい、大丈夫か?」

 もはや康祐の声にも応えられない状態だった。

「まいったなあ…」




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