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2.すぐにでも働きたい理由

2.すぐにでも働きたい理由


 博子は電話を切ると、もう一度、資料に目を通した。

“株式会社ティーエムアーキテクト”建築設計事務所。女性事務員1名。40歳以下。資格・経験不問。すぐに働ける方。


 博子にはすぐにでも働きたい理由があった。勤めていた会社が倒産して既に1カ月。退職金も貰えなかった。このままでは生活が出来なくなる。

 それなりに貯えはある。しかし、それは結婚のための資金なのだ。今まで一生懸命働いて貯めたお金なのだ。そのお金に手を付ける訳にはいかない。

 とはいえ、結婚を前提に付き合っている男がいる訳でもなければ、恋人と呼べる存在すら今は居ないのだが。


 このままでは、両親に田舎へ連れ戻されてしまう。それだけは何としても避けたい。そのためにはここでの生活が揺るぎないものでなくてはならない。

 例え、今は居なくても、いずれ、将来を共にする相手にめぐり逢うためには、この街に留まっておかなくてはならないのだ。


 もうすぐ30歳の誕生日を迎える。男性経験が全くないわけではない。それなりの男とそれなりの付き合いは何度かあった。しかし、博子は恵まれていなかったと自分に言い聞かせて来た。

 たまたま妻子ある人だった。たまた海外へ赴任することになった。たまたま親が死んで田舎へ帰ることになった。

 そろそろ、本気で結婚を考え始めている。昔ならともかく、今の時代なら30歳といえど、結婚するのが決して遅い年齢ではない。実際に博子の周りには同じ年齢でも独身の女が山ほどいるのだから。

 しかし、博子は結婚にこだわりたいと思っている。


 佐久間さんって言ったわね…。どんな人かしら?そんなことをふと思い、時計を見た。間もなく3時になる。博子はもう一度、電話をかけた。

「はい、ティーエムアーキテクトです」

「先ほどお電話させていただいた…」

「岩崎さんですね!先程は失礼しました。私、社長の高田と申します。面接の件ですよね?もし、よろしければ今からでもいかがですか?」




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