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第81話 ありがとう、いってきます

 ――僕は、あの後シズカさん達がどういう決断をしたか知らない。だから僕にできることは、この物語を締めることだ。何をして、何をしていないか。何をするべきだったのか。それを記録しておこう。これは、あの騒がしい日々がまた帰ってきた時のために必要なことなんだと思っているから。


(ねえ)


 ――事の始まりは僕がこの星に来たことだった。母星で従軍義務期間を終えた僕は……


(ねえってば)


 ――あのね、僕の独白でしっとり締めようと思ってたのにさ。台無しじゃないか。

 

(そうは言ってもだよ)

 

 ――出てきていいから。

 

「そうは言っても、あなただけじゃ、自分の話盛るでしょう?現にあなたがこの星来たときの話なんて始めるし。みんな興味ないわよ?……スコップって従軍経験アリだったの!?」


 ――はぁ……。おかえり、シズカさん。


「はい、ただいま。ところで、1人でどうして語りだしたの?もうじきご飯よ?」


 ――あのね、前回で「シズカな時間」は終わりなの。聞いてなかった?今回は締めのメタ回だよ。


「えっ?……じゃあ、アレやコレやの積み残しは?」


 ――残すから積み残しなんだよ。まあいいとこ、短編で出るか出ないか。


「ええ!?じゃ、大学生になった山田と上京して同棲生活編は?」


 ――そんなの最初(はな)からないし。あっても僕らは認めないよ。だいたい、終わっちゃうのは君のせいじゃないか。


「……何かやっちゃいました?」


 ――それだよ。Season1までの君なら、ブチギレるとこだよ。それが人の話を聞くようになっちゃって。僕がけしかけた怪人とも戦わないし。


「にゃふ……」


 ――じゃあ行くよ、謎と積み残しの大決算だ。


「謝ってよ!私にあんな臭いの送り込んできて……!ちゃんと謝って!」


 ――あ、ごめんなさい。


「それでは最初の謎は、スコップあなたよ」


 ――えっと、従軍期間を終えた僕は……


「だから誰も気にしてないの、そこは。おかしいのはね、あなた年はいくつなの?確か、お侍さんのいる頃には、もう地球に来てたんでしょう?相当なおばあさんじゃない?」


 ――説明が難しいんだよね。簡単に言うと、1年に1日しか存在していなかったら、みんなから見て三百年経っても僕には一年にもならない。そういう感じだよ、存在の量を調整できるんだ。


「はい、チート!次は私……」


 ――最近は楽しくて、みんなと同じ時間を過ごすようにしている。シズカさんが来てからだね、ありがとう。


「お、おう……」


 ――次はシズカさんだ。主人公だけあって、謎もたくさんあるけど。Season2での大きな謎は、どうして魔法が使えるの?だよ。


「TOKYOにいた時に偶然異世界に召喚されたの、ハズレ勇者の召喚に巻き込まれたのだわ」


 ――お、おう……


「師匠である「渦炎の魔女」様と模擬戦をしていくうちに覚えたの」


 ――ミツルちゃん、また途中でいなくなったね。あの人なんなのさ。


「お姉ちゃんは忙しいんだよ。すごく飽きっぽくて、忘れっぽいの。悪意は全然ないんだよ」


 ――来てるの知ってたんだ。


「うん、撮影会したら帰っていった」


 ――撮影会?


「セーラー服の。恥ずかしかった……」


 ――あ、それ僕見てない!


「もう処分しちゃったもん。お見せできません」


 ――(ミップルにでも見せてもらおう。ほら、ここでもキレないんだから、相当変わったよ)


「山田に行こう、山田♡」


 ――姫は、特に何もありません。容姿端麗、文武両道、性格は朗らか。対妖魔関係に滅法強くて、特別だから僕が姫と勝手に呼んでるだけ。


「今、なんか凄いこと暴露した?」


 ――後は特に謎を抱えた人物は居ないなあ。ストーリー的な伏線はどうだろう。ほら銀河同盟のなんたらっていうの。


「ああ、アレはエムを女の子にした時点でほとんど解決したんだよ。あの子が作る組織を母体とした反抗勢力だからね。もうあの子は世界を恨んでいないしね。だいたい、かわいい()にそんなことはさせないって」


 ――え?じゃあシズカさん、もうこの時代にいる理由がなくなったの、かい?


「実はね、そう。……ちょっと、スコップ、なんで泣いてるのよ!」


 ――だって。シズカさんいなくなるの、嫌だよ。


「よしよし、最後にデレたね〜。安心しなさい、私まだ戻らないから」


 ――そうなのかい?


「私の任務は、監察と殲滅だけど。元々相手が行動起こしてからでもよかったのよ。何千人が同時に襲ってきても、負けることはないから。実は本当の目的は、バカンスを楽しむことなの。おいしいお料理と、可愛い女の子。愉快な友達と遊んだり。またあちこちに行きたいなぁ。だから皆が私を嫌いになるまでは、ここにいるつもりだよ。ほら、泣き止んで」


 ――うん。


「ほら、しっとりと締まりそうだね」


 ――人をオチに使わないでくれる?


「さあ、スコップ!山田も誘って、今日は何処へ行こうか!」


 ――ところで、HMSって一体何だったのさ!



 『シズカな時間』・おわり

これにて「シズカな時間」はおしまいです。

SF世界観の下地設定はありましたが、結構無茶苦茶できて楽しかったです。

全体のストーリーがある本編を書く間の息抜き的お話でしたが、主人公のシズカさんが思ったより動いてくれたおかげで、81話まで続けることができました。

後半は目に見えてシズカさんが戦わなくなっちゃったので50話目で一旦連載終え、数カ月後に再始動という経緯がありましたが、やっぱり落ち着いちゃったシズカさんは戦いを選びませんでしたね。

 最後の沖縄旅行は、シズカさんへのプレゼントです。切る個所がなくて、すごく長くなってしまいましたけど。


 また何処かできっと現れる。

 それがシズカさんです。


長きにわたりお付き合いいただき、ありがとうございました。

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