第69話 シマ唄
まさか2話連続で、AIに感想拒否されるとは思わなかった。全年齢対象で、安心して読むことができる、シズカさんですよ
「ごめんなさい!この子外国から来て、あんまり良く分かってないの!えっと情熱の国から来たので、こんなギリギリの格好で……私がちゃんと教えてなくて!」
ここは交番だ。
町の秩序と平和を守るため、弱き者の力となるため、警察官の人が詰めているハコだ。
嗚呼!何ということだろう!シズカさんではないか!警察官の人とOHANASHIしているのは!
さすがに公然わいせつ罪で職務質問されるようなキャラクターを主人公にはできない……さらばシズカ。
あれ?前もやったよね。
時間は遡る。
高校生のお楽しみといえば、下校路での寄り道、お買物。
シズカさんと山田は、下校路から離れているが、クラスメイトのいろは、にほ、へとちが駅まで行くので付いて行くかたちだ。何、途中で職質にあったら「友達のお家でテスト勉強するの」と山田が言えば済む。
「私ね、意外と電車乗り慣れてるのよ」
何故か自慢げな猫姉さん。
胸を張り、褒めて欲しげにしっぽをパタパタさせる(幻視)。
「か、カワイイ(首から上)!」
ぱっつんの上着で胸を張り、超ミニスカの下からはしっぽがパタパタ(幻視)、は可愛くない。
山田も顔だけ見て萌える。
「あ〜、確かにシズカさん、改札機で引っかかってニャーニャー言ってる感ありますよね」
「そんで破壊するまでがセット」
「分かる〜」
さもありなんと、シズカは深く頷いた。
「まあね!ほら、あの改札機ちょっと新しいでしょ?先代と先々代は私が殺ったのよ」
シズカの姿を確認した駅員さん達の間に緊張が走る。
赤の手旗が振られるとすぐさま古参の案内係がとんで来た。お客様ぁお困りごとですかぁ?破壊の前に相談願いますぅ~。
「マジすか」
「冗談だったんだけど」
「駅員マッハ」
青春乙女たちの言葉遣いが面白く、クスクスとお上品にシズカは笑った。
「せ、清楚(首から上)!」
本日山田は使い物になりません。
後はホームを間違えてみたり、通過列車に警笛鳴らされたり、やることは一通りやって車内。
そこそこ満員だったが、シズカの格好を見て冤罪を恐れた男性客の皆さんが、シズカ達から距離を取ったため、満員電車なのに快適。山田達は恐縮。
今日は駅前のモグラナルド、通称モグラで「お勉強会」だ、大義名分ともいう。
「コレが高校生ね〜。私、友達できる前に卒業しちゃったから、こういうの憧れてたの〜」
「単なる寄り道だよ」
山田はシズカさんの顔しか見ない。
「え?シズカさん、友達いな……」
「馬鹿へとち!(注:名前である。いろは嬢、にほ嬢、へとち嬢だ)デリケートな内容!」
「多分、おねーさまだったから、友達付き合いが無かったとかそういう」
「私の国では、飛び級の制度があったの。青春学校……高校ね、は入ってひと月ぐらいで卒業したのよ、私」
「飛び級なんてお話の中だけかと思ってましたよ〜」
もう出自に関しては隠す気がないのか、シズカさん。
いちおう、地球人が異星人とのファーストコンタクトを果たすのは後100年なのだが。
「ということは、シズカさんって私達と大して歳変わらないとか?」
そんなわけ無いだろう?このエロボディで。
「20歳よ」
「2歳差……?」
「シズカ、この町に来たときもそう言ってた」
「不老処置してるから……おっとヤベェ」
「シズカ!」
「……シズカさん、面白いこと言うのね〜。そのワガママボディ見たら、20前半かと思ってた」
いろは達ももう突っ込まない。
だってシズカさんと最初に会った時から、全然変わっていないのは3人も分かっているから。
なお、地球人換算で20歳というのは本当である。ケンタウリ人は、地球人よりやや早熟の傾向がある。
話は噛み合わないまま、それなりに楽しんだ5人は店を出た。
シズカさんは「からおけ〜」と駄々をこねたが、山田に「めっ」されて渋々諦めた。また次があるさ。
明らかにしょげているシズカさんのために、最後にゲームセンターに寄ることにした一行。
MANGAのように機械を破壊することもなく、プリントシール機でキャッキャしていると、ナンパなオニーさん達に囲まれてしまうのだ。
「オネーチャンタチカワイーネー」
「チョットオレタチトオチャシナイー」
「オレノピーシーエフエックスデアソボウゼー」
「ゲゲゲ……」
「なんか違うの混ざってない?」
それでもいつぞやの「教団」によるナンパよりもマシだ。頭の悪さは同じくらいだとしても、服のセンスが比べようもなく良い。
いろは達は怯えてしまって声も出ない。
山田も戦いの日々が終わって、今は単なる女子の高校生だ。戦う力はあるが心は付いてこない。
そんな中で1人反応を返したシズカに、オニーさん達の興味が集まる。
「ネエチャンメッチャエロイジャンカ……きゃ〜っ!」
「シズカだぁ~」
「ゲゲゲ」
「何よその反応!ここはセーラー服のシズカさんに会えて喜ぶところだぞ!」
シズカが怒ると、旋風が巻き起こる。
怯えるオニーちゃん達。
総勢10人ほどのオニーちゃん達は腰が抜けて逃げることもできない。
そこへ。
「コラァ!テメエ等!」
オニーちゃん達よりも明らかに強そうなオッサンが走ってくると、シズカとオニーちゃん達の間に割って入った。
そして流れるように美しいスライディング土下座。
これには土下座に少しうるさいケンタウリ人のシズカも、一瞬目を奪われる。
「姐さん、申し訳ございませんでしたぁ!」
「寒尊……。アンタのとこの舎弟だったのか」
スキンヘッドの大男が血の気が引いて頭を真っ青にしながら謝罪をしてくる。
「申し訳ございません!コイツ等まだカッコつけてぇ年頃で!姐さんと御学友にいいとこ見せようって、イキってただけなんス!」
「カッコ悪かったぞ?」
何言ってるかよく分かんなかったし。
「スンマセン!ここは俺の首一つで許してやってはくれねぇでしょうか!」
「いらないよ、そんな汚ねぇ首なんて。ただ私の友達には謝っておくれ。後ちゃんと躾けなよ」
「あ、ありがとうございます!オイ、テメエ等」
「「「「「「「「「「ウッス!」」」」」」」」」」
一斉に山田達に土下座で詫びるオニーちゃん達。
これはこれで怖い。
「寒尊、さっきの土下座……あたしの心も震えたぜ。精進したな」
「姐さん……」
「ほら、お巡りさんが来るぜ。さっさと引き揚げな」
「はっ。おい戻って兄貴に詫び入れに行くぞ!」
というわけで、結局お巡りさんに見つかって、説明をする事になったシズカさん。
実はこの界隈の治安が急速に良くなっているそうで、お巡りさんとか自治会からはとても感謝されているシズカさん。
「まあ、私の「シマ」ですから?舎弟どもには悪ささせるわけにはいかないですからね」
「うん、シマとか舎弟とか言っちゃいけないね〜。シズカさん、逮捕しなくちゃいけなくなるよ〜」
「私を、逮捕?」
「ほら、睨まない。ホント怖いからやめてね〜。ところで」
シズカに殺気を飛ばされてもにこやかに応対していたお巡りさんだったが、空気が一転する。
「その格好、何とかならないかな?民放第90条っていうのがあってね……」
シズカさん。それ、違法だよ。




