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第30話 時空監察官はエリート職業です

 海辺高校裏手の崖に無数にある洞窟。

 そこには異星人や異界人がいつからか棲みついている。総数はわからない。

 最近はある猫姉さんに関わったばかりに滅ぼされた住人が二組。一組はすでに滅んでいて、猫姉さんは実は宇宙を救ったのだけど、それは本人すら知らないこと。

 そんな中で割と古くから棲みついているのがスコップだ。江戸時代にはすでに地球に来ていた記録が残っている。だからと言って凄く長い間生きているのかと言えばそうでもなく、彼女は第三理論の文明から来た人なのだ。つまり意味不明だ。

 最近の騒動ですっかりあか抜けたスコップが同じくオシャンティーになった第24号窟前を掃き掃除していると、どこからともなく現れた人形の生き物が、隣の洞窟に入っていくのがみえた。


「シズカ?」


 既知の猫姉さんによく似た雰囲気の人物だったのだが、その人物はまだ治療カプセルからは出られないはずだ。

 気になってお隣、第23号窟をのぞき込むと、昨日までは奥行きのない単なる穴蔵だったはずが、立派な怪しい洞窟に変わっていた。ここの洞窟は誰かが棲みつけば、謎の奥行きが発生するのだ。つまりさっきの人物がそうなのだ。


『誰かいるのか?』


 不意に奥から声がかかった。

 機械の合成音だが、宇宙翻訳機なのだろう。知らない言葉が先に聞こえた。


「勝手にのぞき込んで済まない。僕は隣に住んでいる者だよ」

『良かった、「日本語」が通じるのだな。私は今日ここへ着いた者で、プロキシマケンタウリのミツルという』


 暗がりから出てきたのは、赤毛の美青年?だ。


『まだ生活に必要なモノを揃えているところだ』


 良かった。今度のお隣さんは理知的な生命体のようだ。しかもイケメン。


「僕はシリウスのスコップだ」

『シリウス?……この時代では未だ恒星間移動技術は獲得できていないはず』

「どこかで聞いたね、それ。ケンタウリか。シズカさんと一緒というわけだ」


 シズカはこの時点で戦闘態勢だったのだが、同郷の彼は余裕のある大人なのだろう。


『あなたの言う「シズカ」とは、とても美しい、黒猫のような女性ではなかったか?』

「え、ああそうだね」

『困ったな。さっそくシズカの知り合いに会うとは……消すか?』

「え?君も!?ケンタウリ人ってそう言う設定!?」


 無表情だったミツルがかすかに笑った。


『済まない、確かにシズカを知っているようだ。試して悪かった。それとお詫びを』


 ミツルは美しい所作で頭を下げた。


『身内が迷惑をかけたようだ。彼女はとても優秀なのだが少し短気で。その辺りは我々の種族代表としては相応しくない』


 やっぱり短気なんだ。人材いないんだね、意外と。


「でも、何だかんだでこちらの人は、皆シズカさんのことが気に入っているよ。僕も、嫌いじゃない」

『そうか、妹は上手くやっているようで安心した』

「え?お兄さん!」

『……姉だ』

「あ、ごめん。話し方とか、色々、男の人だと思ってた」

『家にあった宇宙翻訳機が古くてな。私だって地球人が普段こんな言葉遣いをしていないのは知っている。シズカは自由に話しているのだろう?あの子は昔から優秀だった……』


 シズカさんマジエリート説。

 そして「シズカの家族にしては細身ですね」を「色々」ですませる。翻訳機よ空気読めよ!頼む!

 

「ま、立ち話もなんだし、僕の家に来なよ。お茶でも出そう」

『お言葉に甘えよう』

「生活の準備って言ってた?シズカの家には住まないの?」

『シズカには秘密で来ているんだ』

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