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第26話 シズカ・刻をこえて

 第19号窟。入るとしばらくは洞窟らしい、岩の壁のトンネルが長く続く。明らかにおかしな長さではあったが、空間に干渉したような形跡は観測されない。

 現在の地球にはない超科学。おそらく住人は異星の存在だろう。


「本当に、いろんな方法で星を渡るのね。やっぱり3つって少ないと思ってた」


 銀河系内の恒星間を自由に行き来する技術力を持つ文明を、銀河文明は自分たちに匹敵する高度な文明としてきた。探査された範囲で一万近くの文明を発見したが、自星系内を飛び回る技術を持つ文明はある程度あったが、その先は未だに3文明しかいない。フライングで恒星間空間に旅だった者達もいたが、未熟な技術では悲惨な末路が待っているだけだった。


「まあ良いわ。ここには何が住み着いているかということだけど」



 どのくらい歩いたか。時間の感覚がなくなってきていることにシズカは気付いた。

 接触型情報投影装置(コンタクトレンズ)に現在時刻が表示された。


「え?もう半日経ってる?」


 時空補正した時刻では突入からすでに半日過ぎていることになっていた。しかし戦士としてのシズカはその表示に違和感を感じた。簡単な秒カウントを積算しただけの時計モードに切り替えると、1時間弱。結構歩いた。


「いったん戻ろう」


 故意に引き起こされているのか、自然現象か、時間の進み方が地球のある世界と異なった空間に迷い込んでしまったようだ。処置をせずにあまり長くこの世界に居続けるのは命の危険に繋がる。

 しかし、シズカが通ってきたはずの道は存在しなかった。


「にゃ……」


 もしもこれが何者かの手によってなされたものならば、それが事故だろうと悪意だろうと、シズカは許さないことを決めた。時空監察官は今回もシームレスにキレていた。

 右手にどこからともなく現れたスマートフォン(ミャウドライバー)


「変身!」


 シズカは光に包まれた。光は集束し、美しいボディのシルエットとなる。それが金属光沢を持ち始め、真紅の炎がシズカを足元から包んでいく。全身を焼き尽くすと、炎は散って1人の戦士が現れた!


「時空監察官シズカ!さあ、正義の前に跪きなさい!」


 別に元凶となる異星人を蹴散らすために変身したのではない。この戦闘スーツには時空間異常への処置がされているのだ。


「……簡易モード」


 ニャーン


 エネルギーをそこそこ消費する戦闘スーツであるので、先の読めない待機中などでエネルギーの消費を押さえる簡易モードが搭載されている。エネルギー粒子で構成されている装甲を一部解除するのだ。結果、水着より少しはマシ程度の露出になってしまう。もちろんいわゆるビキニタイプ。頭部はフルフェイスのヘルメットは消えて、猫耳カチューシャ。


「……周囲に基本生命反応なし。ということは自然にできたのかしら?」



 戻らないなら進むしかない。シズカが体感でさらに1時間ほど進むと、朽ちた廃墟のような広場に出た。

 石造りの建物内。水道設備だろうか?ある程度の技術を持っていたのだと分かる生活の跡。そして……。


「骨?」


 触ったら崩れそうな、生き物の肋骨のような構造物。これが生物だったのならばシズカ達人類種の大きさだ。


「空間の急速な時間加速に気付かなかったのか。対応できず、あっという間に肉体が朽ちた……」


 洞窟の奥に行くにつれて、時間加速の度合いが増していることにシズカは気付いていた。自分もスーツがなければこのようになっていたのかも知れない。


「不味いな、外ではもう一週間経ってる……ハイパーモード!」


 ニャーン


 通常の三倍のエネルギーを使ってしまうが、この空間を駆け抜けることに決めたシズカ。エネルギーが尽きる前に脱出できなかったらそれはその時だ。


「山田にチューしとけばよかった」


 心残りはそれか!自分の意外な執着に、シズカは笑い、走り出した。


「やはり、奥は時間加速が強い!」


 しかしもう走り抜けるしかない。


「……クロックアップ!」


 ニャーン


 一か八かだ。もう少し早く決断すべきだったと後悔はするが、ほんの数秒しか持たない、周囲の時間をほぼ停止させるフィールドを展開する。この中を超高速で走り抜けば……!


「ニャ~~~!!」

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