逃亡フラミンゴ
王国花鳥園には、様々な種類の植物や鳥類が育てられてある。
そこでの暮らしは決して悪くはないが、鳥類の中のフラミンゴには園から外へ出たいという野望がある。
(あたいらフラミンゴは、ある一定の距離をつけて助走しないと、羽ばたく事は出来ない。
この円形に造られたフラミンゴガーデンじゃあ、普通に助走はつけられない)
どうしても空を翔びたい雌のフラミンゴは、一つの案を思い付いた。
(助走距離を伸ばす為に、フラミンゴガーデンを螺旋の動きで走れば成功する!)
計画は決まったが、実行するのは他のフラミンゴが眠りについてからだ。
フラミンゴは一羽が動くと他のフラミンゴも同じ動きをするのだ。
もし雌のフラミンゴが螺旋の動きで助走をつければ、すべてのフラミンゴも螺旋に走りガーデンがフラミンゴで詰まってしまう。
(計画を実行するのは今夜……仲間が寝静まった後)
そして夜になり雌のフラミンゴは螺旋に走り、助走距離を伸ばした。
(……成功……翔べた!)
雌のフラミンゴは夜空を満喫した後、満足して園に帰還した。
が、フラミンゴのガーデンには、屋根が造られていた。
どうやら一羽が脱走した事が判明して、飼育員がバリケードをはったらしい。
雌のフラミンゴは青ざめた。
(閉め出された⁉)