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プロローグ


 小学校、中学校、高校と通い、大学に進学しないといけない雰囲気が出来つつある世界。


 社会人になって会社で働くようになり、昇進し給料さえもらえれば満足は出来るのだろうか。


 そんな空虚で一日の歯車を休むことなく続けていく社会。


 所謂【日常】だった。



 しかし、その日【日常】は【非日常】へと変化した。


 空に突如現れたGM(ゲームマスター)の名の下に殺人ゲームが開催された。


 起こった当初は国はテロを警戒し、一般人は何かのデモンストレーションだと、そしてネット民の一部では唯一歓喜した者達だっている。


 最初は日本のみで行われているものだと信じていた国も、世界中各所で行われていることを察知すると同時に、世界中で原因究明に力を入れているという報道だけで終わった。


 報道記者もどのように報道したものか迷っている節があるように思う。


 どの地方、観光名所、約一億人にも届く人口が一斉にカメラを空に向け、撮影を開始した。


 CGや合成技術ではないことがその日直接発覚した。


 日本にはまだ空に投影し、立体映像なぞ見せる技術が無いからである。



 それは未知との邂逅だった。



 その未知が言うには、このゲームは【試練】だという。


 人間の【進化】の先を厳選するために行うのだと言った。


 殺人ゲームの参加者は後日発表するらしい。


 つまり、参加しなくてもいいかもしれない。


 いや、語弊がある。


 参加させられないというだけで他にの要求があるかもしれない。


 可能性を突き詰めていけば、何通りも見つかるだろう。


 それが無駄な努力とは言わない。


 未知という恐怖の前には何かしておかなくては気が済まないのが本能なのだから。



 GMはこう言った。



『ご機嫌よう、諸君。

 私のことはGM(ゲームマスター)とでも呼んでくれ。

 現在地球は崩壊に向かっている。

 それは君たちの行動に目を見張るものがある。

 そこで私は君たちに【試練(ゲーム)】を与える。

 生命の環を巡り、歩み、行い、糧とすることで諸君は次の段階へと進む。

 欲望を、本能を、理性を、想像を駆使して足掻いて見せよ。

 先駆者は総じて三十二名。

 老若男女揃えた者である。

 足掻け、見せよ、志すその信念を。

 喰らえば神ともなるだろう。』



 その日に一言一句逃さず各地へと報道した。


 どう転ぶかは誰にも判り得ない。



『先駆者は選別者でもある。

 進化せよ。

 成って見せよ。

 さすれば崩壊は妨げよう。』



『一部では歓喜しているようだ。

 それでは【試練(ゲーム)】についての詳細を伝える。

 総じて十か条。

 一、生命の環を喰らう。

 二、糧を力へ変え、先を目指せ。

 三、先駆者には個々のみ許す。

 四、位置する助力を与える。

 五、位置させぬ助力は禁じる。

 六、逸脱者には【試練(ゲーム)】を付与する。

 七、対象者には【逃亡(ノット)】を許可する。

 八、先駆者には【救済(シンボル)】を許可する。

 九、選別者には【恩恵(ギフト)】を付与する。

 十、脱落者には【権限(セレクト)】を剥奪する。』



『以上の十か条に、五つの助言を追加する。

 一つ、【試練(ゲーム)】は個々では成し得ない。

 二つ、優勝者は三十二名とする。

 三つ、優勝者には富、名誉、娯楽の限りを尽くす【権限(セレクト)】を付与する。

 四つ、勢力圏には【契約(コネクト)】を許可する。

 五つ、管理者は【多】より【個】を望む。』



『尽力せよ。

 為せば成る。

 為さねば成らぬ。

 選別者は今より三日後に伝える。』



 この日から人類は【非日常】が【日常】となった。


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