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ラクがしたい冒険者~誰か俺を養って~  作者: あさまえいじ
第一章
6/50

第5話

本日3話目です。よろしくお願いします。

俺は昨日孤児院に泊めてもらった部屋で目を覚ました。

久しぶりに横になって寝られたので、体が快調だ。


なんと朝からメシを用意してくれた。昨日と同じようにリオンに食べるかと聞くと、いらないと言った。

今日は普段より多いため、みんな満足しているようだ。

俺は用意された分を頂いた。うむ、実にうまい。

美人な院長さん、ミレーユと呼んでくれと言われたので、ミレーユに礼を言った。

ギルドに向かおうとしたが、ミレーユに呼び止められて、お昼ごはんをもらってしまった。

今日もここに来てほしいとまで言われてしまった。


ヤバい。超養われている。ここの生活サイコー。この生活を守り、俺の将来のために、今日もウルフを狩ろう。確か1421匹狩ればいいんだったな。さっさと狩ってここにこよう。



side ミレーユ


「おはようございます。」

「ああ、おはよう。」

「もうすぐ用意できますから、待っていてくださいね。リオン、キッドさんをお連れしてあげて。」

「うん。わかった。キッドさん、ここにどうぞ。」

「ああ、ありがとう。」


ふふ、キッドさんにおはよう、だなんて、まるで新妻みたい。こんなのあこがれていたんですよ。

いけない。キッドさんに私ができるところを見せないと。


ふう。今日はいつもより張り切って作り過ぎてしまいました。

いつも子供達には少ししか出せなかったけど、たまにはいいよね。

キッドさんにおいしいと言ってもらえたらうれしいな。



「キッドさん。お口に合いますか」

「ああ。実にうまい。感謝する、院長。」

「そんな、私のことはミレーユとお呼びください。」

「わかった。ミレーユ、感謝する。」


やった!キッドさんに「ミレーユ」って呼んでもらえました!

そうだ、お弁当も用意してあったんだ。


「では、ミレーユ。俺はギルドに行く。世話になった。」

「待ってください。キッドさん。」

「どうした。ミレーユ。」

「お昼ご飯です。食べてください、キッドさん。あと、今日もここに来てください。お夕飯を作って待っています。」

「そうか。わかった。今日もここにこよう。では、行ってくる。」


そうしてキッドさんはギルドに向かって言った。

いってらっしゃい。


side out




俺はギルドに到着後、エリーにウルフを1421匹狩れる場所はないかを尋ねた。彼女はとても驚き、事情を聴かれて、孤児院の借金を返すのに金が必要だと言った。彼女はそんな数のウルフはいないと言っていた。だが、これでは返済できずに子供たちが売られてしまう。そんなことになれば、誰が俺を養うんだ。今の俺を養ってくれるミレーユと将来の俺を養ってくれるリオンやキールを守らなければならない。



side ギルド職員エリー


「おはようございます。キッドさん。今日はどうなさいましたか?」

「ウルフの狩場を探している。今日中にウルフを1421匹狩る必要がある。どこかないか。」

「1421!!、そんな数いませんよ。どうしたんですか。この世からウルフを根絶やしにするんですか。昨日テオさんから聞きましたけど、ウルフをこの世から絶滅させるような戦い方だったと聞きましたけど。」

「孤児院の借金を返すのに金が必要だ。そのためウルフを1421匹狩る必要がある。このままでは孤児院は取り壊される。そうなればミレーユやリオンやキールを失ってしまう。俺はそんなこと、耐えられない。」

「キッドさん。」


私はキッドさんが孤児院のことをすごく大事に思っていることをその表情で察した。

けどどうすれば、ウルフを1日1421匹倒せる場所なんて、とてもない。

何か方法はないかしら。



side out


どうやら困っている俺を見て、ギルド長が知恵を貸してくれるようだ。

ギルド長は事情を聞き、一つ提案をしてくれた。

その方法は俺のランクを上げることだ。

冒険者にはランクがあり、D級冒険者まで上げることができれば、ギルド長権限で金貨5枚まで借金することができるようだ。エリーもサポートしてくれるようだし、最後になにかあるらしいがギルド長が何とかしてくれるようだ。

よし、孤児院を守って、俺の将来も守るぞ。


side ギルド長マーキス


「どうした。深刻そうな顔をして。」

「ギルド長!実は…」


俺はエリー君から事情を聞き、キッドに提案した。


「キッド、私から提案がある。」

「なんだ、ギルド長。」

「私から提案する方法はギルドからの借金をすることだ」

「ギルドから借金?」

「ああ、高ランク冒険者が怪我や武器の破壊によって、金を稼げなくなったときの救済措置だ。この制度はランクに応じて、上限額が変わる。キッドは一昨日、冒険者になった。よって、最下級のG級だ。昇給にはモンスターの討伐やクエストのクリア数が一定数を超える必要がある。今のキッドのモンスター討伐とクエストクリア数はいくつだ。」

「キッドさんのモンスター討伐数は170体。最高でウルフを討伐しています。クエストクリア数は3件です。」

「モンスター討伐数はD級冒険者をはるかに超えているな。それだけ討伐できていればC級に相当するな。しかし、クエストクリア数は足りないな。5件でF級、10件でE級、20件でD級だ。後クエストを17件クリアする必要があるな。」

「クエストの選定はお任せください。効率よくやれば1週間で15件をクリアできるかもしれません。」

「よし、最後にD級以上からはギルド指定のクエストをクリアする必要があるが、問題ないだろう。後はおれに任せておけ。何とかしてやる。」

「そうか、よろしく頼む。」


実際クエスト数を1週間で17件クリアする必要があるが、初日で3件クリアしている。不可能な数ではないが、時間のかかる護衛ではなく、採取や討伐に絞ればなんとかなるだろう。


孤児院を救おうと立ち上がる聖人。

そんな男を見て、俺は何とかしたくなった。


ありがとうございました。

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