第4話
本日2話目です。よろしくお願いします。
孤児院に寄付に行くと、メシを食わせてくれるみたいだ。
これだ。俺が求めていたものは、誰かにメシを食わせてもらう。実にいい。タダで食うメシは最高だ。
俺は席に案内された。子供が遠巻きに俺を見ていた。今日のことで、好感度を上げれば、俺をしたい、将来は俺を養ってくれる。しかし、見ればあまり元気そうではないようだ。この間見かけた子供があまり元気がなさそうだ。それに体が小さい。これでは、俺を養うことができない。よし、ここは子供に媚びておこう。
side 孤児院の子供 リオン
今日も昨日来た、怪物がやってきた。ミレーユねーちゃんが昨日は喜んでいた。今日も怪物がやってきて喜んでいる。
しかもこいつ、今日はごはんを奪いに来た。ねーちゃんが嬉しそうに怪物にごはんを勧めていた。
怪物は俺を見て、
「こっちにこい。」
「えっ!」
「いいからこい。」
怪物は俺にこっちに来いと言いやがった。
俺を食う気か!?だけどガキどもは守らねえと、俺は一番上の兄ちゃんなんだ。
「きっ、来たぞ!な、なんだ!」
「食うか?」
怪物は俺に自分のごはんを俺に差し出してきた。
「キッドさん。」
「いいから食え。子供が腹を空かせているのは忍びない。」
俺は怪物、いやキッドさんにごはんを食べろと言われた。
確かに、ガキどもがご飯の取り合いをしていたから、自分の分をあげることで、解決させた。
だけど、そのせいで酷く腹が減った。俺は我慢できなくなり、キッドさんの分をもらった。
「はぐはぐはぐ…」
「うまいか?」
「う、うん。」
「そうか。」
キッドさんは俺がごはんを奪ったのに怒らなかった。
そのうえ、満足そうに笑っている。
俺、キッドさんのことを怪物だなんて思ってごめんなさい。
そして、キッドさん、ありがとう!
side out
うんうん。下の者が上の者に大切なものを献上する。これこそが完璧なる媚び方だ。これで、好感度は上がる。そして、子供もメシを食って大きくなる。労働力向上で金をたくさん稼いでくれる。すなわち俺を養ってくれる。俺の将来は安泰だ。
俺は院長に借金のことを聞いた。
どうやら、たくさんあるようだ。
どのくらいあるかは、小さい男が教えてくれた。
返済ができなければ、孤児院が失くなって、子供たちが売られてしまうようだ。
それはだめだ。将来俺を養ってくれる人がいなくなる。
これは借金を返しきるには今日みたいにたくさんモンスターを倒して、金をたくさん稼がなければならない。だが、時間もあるようで来週までにたくさん金が要るようだ。
明日からも頑張らなければいけない。
side 孤児院の子供 キール
昨日も来た、怖い人が来ていた。
僕が怯えていると、ミレーユおねえさんが僕を呼んでいた。
目の前に怖い人がいる。
ミレーユおねえさんが怖い人に借金の状況を説明してほしいそうです。
怖いけど仕方ないです。
ぼくは計算が得意で、お釣りの計算でも間違えたことがない。
でも、怖いので言えたことはない。
僕は怖い人に状況を説明し始めた。
「最初は金貨10枚でした。利子は1週間目に銅貨1枚、2週間目に銅貨2枚、3週間目に4枚、というふうにどんどん増えていきました。そして今週は8週目になりましたので、銅貨256枚になります。銅貨100枚で銀貨1枚になりますので、銀貨2枚と銅貨56枚が今週分の利子になります。これまでの利子の合計は銀貨2枚と銅貨55枚になります。合わせて銀貨5枚と銅貨11枚となります。キッドさんが銀貨8枚と銅貨10枚の寄付を頂きましたので、銀貨2枚と銅貨99枚が手元に残ります。しかし、この利子は銅貨1枚でも残っていれば前の週の倍になります。金貨10枚の内5枚が他の借金の返済になりましたので、金貨5枚が残りです。そして、残りを計算すると足りないのは、金貨4枚と銀貨97枚と銅貨1枚です。」
「具体的にどうすればいい。今日はウルフを162匹倒したが。」
「ウルフ1体で銅貨5枚ですから、9941匹倒す必要があります。今日1日で162匹ですから、あと62日かかります。その間に8週間かかります。その結果利子は銅貨65024枚になり、金貨6枚と銀貨50枚と銅貨24枚が追加でになります。」
「そうか、今日は162匹倒したが、1日何匹倒せばいい。」
「少し待ってください…、1421匹です。」
「そうか。わかった。任せておけ。お前たちは俺が守る。」
「え、でも、1421匹なんてとても。」
「問題ない。」
僕の計算は間違っていない。でも、こんな数字間違っている。
僕らはもうどうしようもない。
どこかに売られていくしかないんだ。
でも、怖い人、キッドさんは問題ないと言った。
僕はこの人が怖い。でもこの人を信じたくなった。
助けて、キッドさん。
side out
俺は孤児院を出ようとすると泊っていかないかと、誘われた。
普段は路地裏、橋の下とかだから非常に助かる。
俺が媚びて仲良くなったリオンとウルフを1421匹倒せばいいことを教えてくれたキールが泊って行ってくれと言ってくれた。
明日から彼らを救うために頑張らなければ。
将来ラクをするための投資だ。
ありがとうございました。