第3話
よろしくお願いします。
今日の稼ぎを孤児院に寄付に行こう。
昨日に比べて、数は少なく、軽いけど、毎日寄付に行くということで印象を良くしよう。
これは餌だ。俺の将来を釣り上げるための餌なのだ。
俺は急ぎ孤児院に向かった。
今日は孤児院の前に、寄付金を渡した女性が男性と話していた。
女性は美人だったからな、彼氏かな。
俺は気にもせず、彼女に今日も寄付に来たことを告げ、金を渡した。
side 孤児院院長ミレーユ
「ですから、借金の一部は昨日お返し致しました。」
「でもねぇ、昨日の分でも一日分の利子くらいにしかなりませんでねぇ。」
男は酷くいやらしい笑顔を浮かべながら、私の体を見ながら、そう言った。
私は祖父から孤児院を託されてから1年の間で、こうゆう相手が増えたと思いました。
私は、私を妾にしようとした借金取りに騙されて、多大な借金を負いました。
いえ、私が馬鹿なだけでした。最初は金貨10枚をお借りしました。ですが、金利を払えないと言いましたが、そうすると、金利は1週間ごとに銅貨1枚でいいと言いました。ただし、次の週は前の週の倍の金利、銅貨2枚、と金利を倍にしていくというものでした。私は少ない、と感じて、その話に乗りました。ですが、それが罠でした。徐々に金利が増えてきて、今日は8週目、銅貨256枚つまり、銀貨2枚と銅貨56枚が必要だと言いました。
「取り込み中のところすまない。院長、今日も寄付金を持ってきた。」
「えっ。あなたは昨日来てくれた、キッドさん。」
「今日の分だ。少ないが子供たちのため使ってくれ。」
「今日も来てくださったんですか?!」
「金ができたら来るといった。だから来た。」
私の目の前に、大きな体でありました。
昨日寄付に来てくれたキッドさんでした。キッドさんは今日も寄付に来てくれました。
昨日帰り際に確かに言っていましたが、まさか今日来てくれるとは思いませんでした。
私は借金取りの存在を忘れていました。
side out
寄付金を渡していると、小柄な男が俺の肩を掴んできた。彼女との話に割り込んだことで気分を害したようだ。どうやら彼は借金取りのようで、金を払えなければこの孤児院が取り壊さることを教えてくれた。この孤児院が無くなると、子供たちはどうなるのかを聞くと、どこかに売り飛ばされるようだ。
それはまずい!俺の将来のために養ってくれる子供がいなくなるのはひどくまずい。
俺はどうすればいいのか彼に聞くと、彼女が借金取りのボスの妾になるか、借金を完済すればいいことを教えてくれた。彼女は子供たちに好かれていた。そんな彼女を借金取りのボスの妾にして、子供を救っても、私を養ってくれなくなる。それはできない。
俺は彼女を背に隠し、借金取りに今日は帰ってくれるようにお願いした。男は素直に帰ってくれた。
彼女が俺に感謝していた。俺は将来のためにやったことだというと、彼女は頬を赤くし、お礼がしたいからぜひ、上がってほしいと言った。
side 借金取りリドル
「おい、てめえ。いきなり出てきて何の用だ!」
俺は肩を掴んだ。だが男がでかすぎて肩に手を伸ばして、掴むと足がギリギリ片足だけ付くくらいだった。対応間違えた。でもこの男でかすぎだ。俺だって175㎝はある。別にでかくはないが小さいくはないくらいだ。
「お前はなんだ。」
「俺はこの孤児院に金を貸しているブランド―商会のもんだ。おまえがいくら寄付をしてもな、借金が無くならねーとこの孤児院は取り壊しただ。この孤児院が失くなりゃ、ガキ共も奴隷として売り飛ばせるぜ。まぁ、その女がボスの妾になるか、借金を返さないとな。」
俺がそう言うと、男は俺の方を向き、でかい手を頭に置き、
「失せろ」
と言いやがった。
俺は手をどけようとしても、ビクともしねえ。徐々に頭から嫌な音がしてきた。
「わかった。わかった。今日は帰るから。離してくれ。」
俺は手から解放されると、必死で逃げた。
あの男はまずい。早くボスに知らせなければ。
side out
side 孤児院院長ミレーユ
「本当にありがとうございました。」
「別に構わない。」
私は彼にお礼を言いましたが、彼は気にしていませんでした。
「俺の将来のためにやった。だから気にするな。」
「えっ!それって、」
私は驚きました。彼は将来のためと言いました。
それってもしかして、私と...
別に嫌ではありません。私だって17歳。結婚を考える歳です。ですが私にはこの孤児院を守らなきゃ、でもキッドさんは孤児院に寄付を...
私は彼のことを考え、満更でもないと思っていました。
まず、お互いを知ることから始めましょう。なので、食事に誘ってみましょう。
「そ、そうだ!キッドさんお礼に食事を一緒にしませんか?」
「食事か。子供たちに迷惑ではないか?」
「そんな、ご迷惑だなんて。昨日も今日も寄付をしていただいて、せめて少しでもお礼させてください。」
「そうか。ありがたくごちそうになろう。」
「は、はい。どうぞこちらへ!」
side out
ありがとうございました。