前へ目次 次へ 29/35 空蝉 まだ 日が差している 上がった気温は もう天井を突いていて 最高気温は 三十三度 うるさいって漢字には 五月の蝿ってでるのだけど 夏 木々に止まった八月の 蝉たちのほうが ふさわしい気がするんだ きみと 肩を並べて 抜け殻を探した あの日の汗は 澄んでいたっけかなぁ もう 遠い昔なのだよ 思い返すには ねぇ 遅すぎるよなぁ ただ 暑いだけだった ただ 暑いだけだったのだよ もう気温は上がらない きっと 天井を突いているのだから だって 最高気温は三十三度だよ