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母の日
たまに
眼鏡を見失う
あのひとの横顔を思い出す
ふらふらとした
おぼつかない足取り
記憶もこのごろあいまいになって
痩せてもきた
故郷の景色に
水が多めの水彩絵の具くらいに
滲んだ背中へ
あたし 声を掛けてみる
お疲れですか
肩でも叩きましょうか
洗濯物は入れておきます
お風呂は沸かしましたから
食器も洗うし
夕飯もつくります
だから今日くらい
休んでてもいいのですよ
コブシの花が
真っ青な風に吹かれた
お母さん
今日までありがとうございました
お母さん
これからもよろしくお願いします