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邪神

【ナイアラトテップ】

コズミックホラー好きやテーブルトークRPG好きに大人気の邪神の一柱。黒幕として置いておけば安心、関わっていないはずの案件ですらこの邪神のせいにされるほどの大人気だ。勿論創作上の神である。


『人間社会で創作物というモノは隠れ蓑にするには丁度良かったのでそのまま使わせてもらったんですよ』


と微笑みを絶やさず紅茶のような何かで喉を潤している。


(何処から紅茶なんて出したんですか、いいからおウチに帰してください、帰りを待ってる嫁がいるんです)


『生きている嫁が待っていると言うならば私室に招待はしませんよ』


(二次嫁はカウントしないなんて酷じゃないですかね?)


『生物的に間違っているのは貴方だと思いますが、その自覚がありながら言ってますよね』


(あといい加減この透き通った存在でいるのに精神的に疲れてきたんで肉体に戻してくれませんか?ついでに現実に帰してくれませんか?)


『魂魄状態のほうが誘導しやすいし直接的に加護も与えやすいんでもうしばらくそのままですね』


(帰す気はないと?)


『本当に帰りたいんですか?確執してまで現世に縛られるほどの何かは貴方にはないはず。肉親と呼べるモノは叔母と従兄弟の二人のみ、友人関係が気になると言っても親友と呼べる存在と最後に会ったのは十五年前ですか?それに仕事なんて他の誰かが引き継ぎますよ』


穏やかに朗らかに決して責められているわけではない。だが決して逃げ道を与えられないそんな気分に陥るのは何故だ。


『良いじゃないですか現世なんて捨ててしまえば。【異世界でオレ好みの可愛い嫁を沢山見つけて永久的にニャンニャンしたい】のでしょう?叶えてあげますよ?』


(創作物でしかアンタのことを知らないけどさ、印象は最悪なんだよ。目の前に希望を吊り下げられて最後の最後まで信じさせてやっぱり掌返しをするってのがアンタなんだろ)


『我が主人への供物として捧げるにはそれすらも足りないので困っているのですが、私のちっぽけな嗜虐心程度なら、その場では満足出来てはいるんですよ?』


(で、今回の生贄はオレってことかい?そのちっぽけな嗜虐心を満たすだけの存在ってか?)


『今回に至っては、そうですね人間で言うならば完全なる善意、慈善活動とでも言いましょうか。邪神と崇められる存在とてたまにはそういったこともするんですよ?』


(嘘くせぇ)


ナイアラトテップが慈善活動をする。字面にするとなんとも胡散臭くて陳腐な言葉だろうか、裏があるとしか思えないし裏がないとしたらそれそのモノが罠だとすら思うのが普通だろう。

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