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奇蹟
闇とは違う暗闇
顔の上に何か、包帯じゃない何かが掛けられている感覚。
『意識があるなら起きろ』
声の主は顔の上にあった何かを取り除いたようだ。
瞬間、光が見えた
何が起きたか分からない
ふと左腕を上げて見る
火傷の跡が微塵も残っていない白い肌
首を動かし体を確認する
焼け爛れた乳房は既になく白い丘とぽっちが二つ
足を動かそうと思えば思った通りに
最後に右手で恥部を触れてみる
敏感なモノがちゃんとあった
奇跡だ、奇跡が!
『奇跡ではない、俺の力だ』
声のする方へ顔を向ける
浅黒い肌、腰まで伸びた黒い髪、赤い目、中性的な顔立ち
だがそれ以上に感じるのは絶対なる恐怖
気付いたら股間は湿って臭い出した
父の兄弟に殺されそうになった時
母さんが目の前で焼けて逝く姿を見た時
そんな物は恐怖ではなかったと理解した
私は一体ナニに助けを求めてしまったのか




