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家出魔王娘がダンジョン背負って嫁にきた ~勇者引退後は魔王の娘とダンジョン経営しよう~  作者: 影木とふ「ベスつよ」②巻発売中!


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十四話 それは粉雪のようにとダンジョンカフェがきた


「人をエロ本部屋に案内して期待させておいて何もしないってどういうことだ、クソ勇者」


 レオリングを泊めた翌日、よく分からないが彼女が激おこモード。



 一階リビングで寝ているちびっ子ルシィも起きてきたことに気付いたらしく、怒りはちょっと抑えめ、いつもの冷静毒舌モードに移行。


 別にわざとじゃねーよ、つうかエロ本はしっかりカバンに入れて押入れ的なところに突っ込んでおいたはず。探そうと思わなきゃ気付かないはずなんだが。


 あとレオリングがタンクトップに下着一丁の、なんとも素晴らしいお姿。


 バスタオルで軽く隠してはいるが、結構その美しい素肌が見える。レオリングの下着姿なんて滅多に見れねーぞ。これは脳内に焼き付けておかねば……! 一生消えないぐらいの熱で焼き付けるぜ! 足とかめっちゃ綺麗。



「旅の途中、そういえば男共とよくどこかに消えていたが、エロ本買いに行っていたのか……情けない、お前は勇者だろう!」


「い、いいじゃねーか! 勇者だって年頃の男の子なんだよ、異性への興味はいつもMAXモードだっての! お前みてーな美人が側にいて、欲がたまらないわけねーだろ!」


 冒険の途中、暇を見てはパーティーメンバーの男達と街へ繰り出し、エロい物を探し回ったものだ、ああ……懐かしい。楽しかったなぁ、あれ。


 そういや買った本とか結構重いので、世界中の街の倉庫とかに預けっぱなしだな。



「美人美人って……私はお前の愛玩動物じゃない! 見て、遠くから愛でて満足なのか……情けない、情けない情けない! そんなだからお前はクソ勇者なのだ!」


 はぁ? 何言ってんだこいつ……意味わかんねぇ。




「エロホン? それはなんなのだエスティ。私も見たいのだ! いくぞサーチルー!」


「二階だそうですよ、ルシフォルオーダ様ー」


 あ、コラ! やめろルシィ! お前には刺激が強すぎ……ってレオリングが怒りのちぎり絵素材にしたんだっけ。なら大丈夫……なのか? どれぐらい細かくちぎったかによるな。



 弾丸のような速度で二階に上がっていったルシィが「ほぉあ……」と不思議な声を上げ、巻き戻し映像でも見ているかのように二階から戻ってきて、俺の腹に突き刺さってきた。


「粉雪! エスティ、なんか床が肌色の粉雪だったのだ! あれがエロホンというものなのか?」


 こ、粉雪……それはもう復元不可能そうなワードだな。どんだけ細かくちぎったんだよレオリング……。ああ、俺のお気に入りコレクションが粉雪に……。





「えーと、気を取り直してダンジョンのカフェ計画を進めようと思う」

 

 軽く残り物で朝食とし、俺の家の畑にドカンと出来上がっているダンジョンの入口に集合。まぁ、エロ本はまた買えばいい。新作もいいのがあるそうだし。


「ついに来たのだなエスティ! 二人の理想の新居を目指すのだ!」


 ちびっ子魔王娘、ルシィが元気に右手を振りかざす。


 昨日、街のカフェを巡って、お椀モンスターのサーチルに色々覚えてもらったからな。あとはそれを形にすればいい。

 どうもサーチルはダンジョン制作に有能なモンスターらしく、魔力があればちょっとした素材を元になんでも作れるんだと。



 入り口から地下一階に降りる。


 相変わらず何もない天井の高いだだっぴろい空間。広さは高校の体育館を二、三個繋げたぐらいかね。各所に魔法的な明かりが灯っているので、かなり明るいダンジョンと言える。湿気も無い。


 地下二階からは普通にモンスターがいるとか。そちらは今度考えるとして、先に地下一階のカフェを完成させないとな。ダンジョンだけ解放しても、施設がないと大きく金儲けができん。



「とりあえずこんな感じの割り当てだろうか」


 紙に大まかな地図を書き、カフェのイメージをサーチルに伝える。


「ふむふむ、了解いたしましたー。昨日色々見せてもらえたので、予習はバッチリですよー。魔力も十分にありますし、オシャレなカフェを作っちゃいましょう~」


 階段降りて手前から半分ぐらいをカフェ。向かいの壁に武器とか防具、道具屋などの商店スペース。半分より奥に温泉施設に宿をお願いした。大体こんなだろ。細かいことはまた変えればいい。



「はいーそれそれーほいよっとー。とりあえずカフェ完成ですー」


 お椀に乗ったぬいぐるみ、サーチルが小さな手を器用に動かして光の糸を操る。木や石、いらなくなった剣、鎧などの金属素材に魔力を注入し光に変え、ぽいぽいと所定の場所へ投げていく。

 

 その光が収まると、木製の豪華な模様の入ったテーブルとイスが次々と出来上がっていく。すげぇな……ちょっとした錬金術だな、これ。


 さらに厨房やカウンターなども一気に作り上げていく。かかった時間は十分ほど。



「す、すごいな。こんなことが出来るのか、このモンスターは」


 隣で大人しくしていたレオリングが感嘆の声を上げる。朝の騒動で怒って帰るかと思ったら、普通に俺が作った朝メシ食って、ここまで付いてきた。


 レオリングが驚くのも分かる。これ、俺達人間がやろうとしたら、重い木材などの材料を時間を掛けて運び込んで、何十人掛かりで作業して、数ヶ月かかってやっと出来あがるクラスだぞ。


 それをサーチルが十分ほどでささっと作りあげてしまった。


「ちゃんとイスにテーブル。そして厨房も巨大な魔力冷蔵庫に水道施設、調理台もしっかりとした素材だ」


 レオリングが出来上がったイスにテーブル。そして厨房の設備を一個一個触り、その出来の良さに更に驚いている。


 これ、お金出して設備揃えたら、それだけで相当な出費なのだが、サーチルは余った鎧などの少ない素材と魔力だけで作れてしまうのか。



 これ、サーチルに高額で売れそうなもの作ってもらって売ったほうが金儲けにならねーか。






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