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遠藤氏の恐怖の心霊現象体験談  作者: 南かずしげ
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08『日本人形奮闘記』

『激烈! 日本人形.VS.フランス人形』



皆さん、お久しぶりです。

私はKです。夫.N氏の妻をさせていただいております。



 これは私が体験した恐ろしい出来事をお話しします。

新たな新居をかまえた私は夫のNさんとの間に双子の女の子をもうけました。

夫は会社で花形営業の係長までに昇進して、私は子供ができたのでスーパーのパートを辞めて、家事・育児に専念しました。(子供はいつ見ても可愛いですね)



 ある日の事(だいぶ前の事ですが)、夫の親友である遠藤君(高校時代は同じクラス)から日本人形を2つ(双子の日本人形らしいです)、私の娘の双子姉妹にそれぞれ1つずつ頂きました。

遠藤君とは並外れた霊感の持ち主で、様々な不思議な体験も幾度もしているそうで、色々な対応策もお持ちだそうです。

ちなみに遠藤君の職業は警視庁の刑事さん(警部)だそうです。子供達は、その双子の日本人形を大変気に入り、大喜びでした。



 ある日の夜、私は不思議な夢を観ました。

それは子供部屋の奥にある押入れに嫌な感覚がしたのです。翌日、私は子供部屋の押入れの外観を見たりその中を見たりしましたが、特に何もありませんでした。



 次の日の夜もまた私は不思議な夢を観ました。

やはり、それは子供部屋の奥にある押入れが嫌な感覚でしたが、さらに押入れを開ける戸に "黒い(もや)" のようなモノが現れて、私は驚いて目が覚めました。



 翌日、夫に相談してみました。私達は以前はマンションに住んでいましたが、今は中古の一軒家を購入して住んでいます。夫は子供部屋の奥にある押入れの外観や中を確認しましたが、やはり、特に異常はなかったようです。

それで夫はそれは気のせいだと言い、私もそうだと思いました。実際にはまだ何もありませんでしたし、所詮は夢の中の出来事ですからね。



 しかし、さらに次の日の夜、またしても私は不思議な夢を観ました。

そこは子供部屋であり子供達がぐっすりと眠っていて、その奥にある押入れの戸に "黒い(もや)" がかかっていて押入れの中からは、


 『クス.クス.クス.クス』


となんとも言えない薄気味悪い小さな笑い声が聴こえてきていて、私は驚いて目が覚めました。



 もう私は心配になって、子供達を自分達の寝室で寝かせました。子供達は大喜びで自分達の日本人形を持って、私達と一緒に寝室で眠りました。



 その日の夜、ついにとんでもない恐ろしい事が起こりました。私達の寝室は1階奥にあり、子供達の部屋は2階奥にあります。暫くして寝つけなかった私はふっと時計を見ると、夜中の1時を回っていました。すると、突然2階奥の子供部屋から物音がしました。


 ガタン.ガタン.ガタン


その時、夫も起きていて一緒に聴いていた。


「ん? なんだ・・・?」


と夫が言いました。私も夫も目の前に子供達がぐっすりと眠っているのに、2階の子供部屋から物音がする事などない筈でおかしいと気味が悪くなり、怖くなりました。



 すると、今度は2階の子供部屋からは、


 『クス.クス.クス.クス』


と夢で聴いたあの薄気味悪い小さな笑い声が実際に聴こえたのです。起きて聴いたのは初めてでした。


「もしかしたら、これか? 君の言っていた事は・・・。」


夫がそう言うと、私は小さく頷きました。


「なるほど、これは・・・確かにヤバそうだな・・・。」


私と夫は暫く息を潜めました。すると突然、2階奥の子供部屋から今度は独り言のような話し声が聴こえてきました。


 『あれれ~~。』


聴こえてきた声は少し乱暴で気味の悪い少女の声でした。さらにその声は、


『どういう事だ~? ガキ共が居ないぞ! せっかく、あの忌々しいクソ人形が居なくなったのに~~。』


と言い、さらにその少女の声は、


『あぁあぁ~~? もしかして下かなぁ~?』と


そう言うと2階の子供部屋の中で何かが動き回る音が聴こえてきました。


 ガタン.ガタン.ガタン

(2階の子供部屋で何かが歩く音)


 ガチャリ.バタン

(子供部屋のドアの開閉の音)


 トン.トン.トン.トン

(何かが2階の廊下を歩く音)


 パタ.パタ.パタ.パタ

(何かが2階の階段を降りる音)


 トン.トン.トン.トン

(何かが1階の廊下を歩く音)


 ガチャ.ガチャ.ガチャ

(私達がいる寝室のドアノブを回転させる音)


 その何かが明らかに私達がいる寝室のドアの向こう側にいるのが判りました。


 私達は驚きました。すると、またあの薄気味悪い少女の声は、先程とは様子が違っていて


『むっ? なんだ? あの人形がまたいるな!?』と


そう言うと、先程までのその得体の知れない感じの恐ろしい少女の気配が、スーッと消えてしまいました。



 翌日、私達は遠藤君に相談しました。遠藤君は私達の家に着くなり、こう言いました。


『ほう、確かにいるな。これは・・・』


そして、遠藤君は2階奥の子供部屋に行き、押入れの中の上の屋根裏を見ると、なんと相当古い箱がありフタには相当古い御札(おふだ)が貼ってありました。その箱のフタを開けると中には、相当古い小さなフランス人形が入っていました。(子供達が持っている双子の日本人形よりも若干小柄な人形) "それ" を見た私は直感で "コイツだ!" と思いました。



 このフランス人形には物凄い悪魔・悪霊が取り憑いていて、私達の子供達を取り殺すつもりだったそうです。しかし、遠藤君から貰っていて子供達が持つ双子の日本人形の力でそのフランス人形の呪いから子供達を護ってくれていたそうです。このフランス人形は遠藤君が持ち帰りました。



 その後、遠藤君があのフランス人形をどのように処分したかは解りませんが、それ以来、私達は恐ろしい出来事を体験しなくなりました。


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