06『修学旅行の怪 (後編) 』
『修学旅行の怪(後編)』
僕はNと言います。遠藤君の友達です。高3で修学旅行に行った時の体験を話します。(2日目からのお話しです。)
[07:47]
朝は、「3-A.女」の間で、1日目の深夜に部屋の中に人影が入ってくるのを観た話や夢の中で "あの女" に追いかけられるのを観た話で持ちきりでした。他の組の連中も不思議な夢や体験をした者もいたらしいです。
僕は思いました。
「他の生徒達も昨夜の恐怖体験をした奴がいるのかな。」
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2日目の行動
[07:00]
①起床
[07:30~08:00]
②朝食は宴会場で全員が食事
[09:00~11:50]
③全員で観光地に行き.班ごとに分かれて.神社御堂巡り
[12:00~12:50]
④全員で昼食
[13:00~18:00]
⑤各班ごとによる自由行動
[19:00~22:00]
⑥お風呂は男女別.大浴場で入浴
[19:30~20:00]
⑦夕食は宴会場で全員が食事
[20:10~20:20]
⑧全クラスによる班長会議
[20:00~22:30]
⑨自由時間(外出禁止)
[PM.22:30]
⑩消灯
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3日目の行動
[07:00]
①起床
[07:30~08:00]
②朝食は宴会場で全員が食事
[09:00~12:00]
③全員で帰路に着き.学校で各自解散
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[09:15]
2日目の午前中は全員で神社御堂に行きました。ここからは班ごとで自由行動が出来ます。僕は自分の班の女子達に昨夜、何かのあったか聞いてみました。
Kさんは「いいえ、アタシは何も起きてないわ。」と言い
Fさんも「うん、ウチも特に何もなかったでぇ。」
と答えました。
どうやら、「3-C.女」の部屋では、何も起きなかったらしいです。
女子達も僕達に尋ねました。
しかし僕は昨夜の事は、話しませんでした。遠藤君も言いませんでした。
[17:28]
各班の自由行動では、さすがに慣れていない土地なので、道に迷いました。気がつくと山道に入ったらしく、辺りは急に薄暗くなっていました。
「あれ? 社がある。」
僕達は先の方に小さな社があるのに気づきました。
「・・・嘘?」
「何? アレ!」
「ヤ、ヤバくないか? あれ」
と僕達が怯えていると、遠藤君が
『さぁ、行くぞ。』
と遠藤君が社を通り過ぎるのを見て僕達も後を追いましたが結局、何も起こりませんでした。
無事、お寺に到着しました。
[18:06]
女子達は気づいていなかったみたいだが、僕は視ました。
遠藤君が社を通る時、隣に
『背が低く.純白の着物を着た.長い黒髪の少女』
が一緒に歩いていました。
女子達にも、誰にも話しませんでした。
「怖かったし・・・ね。」
僕はそう思いました。
[21:59]
自由時間は僕とKさんがお寺の離れにいると庭の方で、遠藤君が満月を眺めているのが見えました。
「わぁ キレイね。」
とKさんは満月を見て言っていましたが、僕には遠藤君の隣に
『背の高い.刀を持った古い軍服を着た兵隊』
が一緒に満月を眺めているのが、視えました。でもこの事も誰にも話していません。
[01:35]
今日も就寝して眠りましたが、また、ふっと目が覚めると同時に障子が開く音が聞こえました。また人影が部屋の中に入り、寝ている生徒の顔を覗き廻っていました。
「また、来たのかよ!」
と僕は思いました。
そして既に身体が動きません。
「クソッ! う、動かない!」
また、段々と僕の方に近づき、また遠藤君の所で止まりました。
「・・・えっ?」
すると、昨夜は視えていませんでしたが、今日は視えました。
遠藤君の布団の上に
『背が異常に高くて(3mくらい?)異常に長い黒髪で.深紅(血かな?)のワンピースを着た女』
が立っていました。その人影は急いで部屋を出ていきました。
僕は気絶する意識の中で、頭の中に女の声が聴こえました。
『もう、大丈夫だよ。』と
[06:49]
朝、目が覚めました。
当然、昨夜の出来事は誰にも話しません。
[12:04]
ようやく、修学旅行も終わり、学校に戻ってきて一息つき帰宅の準備をしていると、遠藤君が僕に対して言いました。
『ふふふ、君も視えていたんだね。』と
彼には全てお見通しだったようです。
こうして奇妙で不思議な恐怖の修学旅行が無事、終了しました。