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遠藤氏の恐怖の心霊現象体験談  作者: 南かずしげ
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03『3日間の悪夢』

   『3日間の悪夢』



 私は遠藤です。

これは私が少年の時に体験した出来事です。



 僕が小学生だった時は友達がいないので、よく一人で遊んでましたが、夏休みの田舎での不思議な体験をしてからは、よく不思議なモノを視るようになりました。



 僕が公園で一人で遊んでいると、公園の入口に

『古い軍服を着た兵隊さん』

が立って、こちらを向いていました。僕には、その【兵隊さん】が「普通の人間」ではないことはすぐ判りました。何故なら、公園に入る人逹が全く気がつかずに、すり抜けてしまうからです。



 その【兵隊さん】はよく僕に向けて敬礼をして、数分で消えてしまいました。

そして暫く間、ソレが続いていて、僕には何をしているのか、その時はよく解りませんでしたが、ソレをよく視ていました。



 それから中学生になり、その【古い軍服の兵隊さん】は視なくなりました。

中学生になっても相変わらず友達は出来ず、父は単身赴任で海外に、母はパートに出て働いていました。ある夏休みの夜、僕は一人、家で寝ていると、不思議な夢を観ました。(1日目)あの

『長い黒髪の純白の着物の背の低い少女』

 が現れました。その【少女】は必死で何かを訴えていますが、何を言っているのか解りません。

はっとして起きました。


『・・・?』



 翌日も不思議な夢を観ました。(2日目)今度はあの

『古い軍服を着た兵隊さん』

 も現れました。【少女】の方はまだ何を言っているのか聴き取れませんが、【兵隊さん】の方は相変わらず、敬礼をしていました。


『・・・何だろう・・・?』



 次の日も不思議な夢を観ていて【少女】と【兵隊さん】が僕の目の前に現れました。(3日目)【少女】は必死で何かを言っていて、【兵隊さん】は敬礼したままでした。すると、【少女】が大きな声で


『危ないっ!!!』


 僕は咄嗟に後ろを振り向くと、

『黒長な髪の長身で深紅のワンピースを着た女』

 が持っていた【包丁】で僕を刺そうとしていたのです!


『うぅあぁあぁーーーっ!!』


 もう駄目かと思った瞬間、


 ガッキィィィン!!


 なんと、あの【兵隊さん】が持っていた刀で僕を庇ってくれて、【女】を跳ね返した!

 そして【少女】が【女】に向けて掌を突き立てた!


 ドゥオーン!!


 凄い! 【女】が吹っ飛んだ!


『うおぅぉうおぅぉ~~~・・・』


 苦痛な低い声が辺りをこだましました。


『あっ あの声はっ!!』


 そう、あの声は小学生の夏休みに田舎で聴いた恐ろしい声でした。


『やはり、憑いてきたのね。』


 と【少女】が言いました。【少女】と【兵隊さん】は僕の前に立ち【女】を近づけないようにしました。【女】は悔しそう顔でこちらを睨み付けていました。



 そこで目が覚めました。汗でシーツがぐっちょりでした。もの凄い夢でしたが、もし二人が守ってくれなかったらどうなっていたのか・・・。

 それから、あの夢は観なくなりましたが、あの【女】は今でも僕の事を狙っているのか、と思うと安心できません。



 あとで気づいたのですが、『3日間の悪夢』を観た日は丁度、小学生の夏休みに行った田舎で襲われた日と、同じだったのです。

 偶然ではないと思いますので、これからも気をつけないといけませんね。


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