13『復讐霊魂の怪 (後編) 』
『復讐の遺言書』
※前回のお話しの続きです。
『┣┫グループコンツェルン』の二代目当主の死去により、遺族や親族による【遺産相続】が勃発した。
しかし、肝心の【遺言書】が消えてしまい【遺産相続】の話し合いは難航していて、そこに連続して殺人事件が発生してしまった。
警察の捜査も難航を極み、警視庁からは応援が派遣されていて、捜査員も増員した。
警察は専属の弁護士Bの行方を追いながらも、遺族や親族の身辺も調べていて、捜査が進むにつれてますます混乱を極め、専属の弁護士Bはまだ見つからず、遺族や親族に対する決め手もない状態であった。
一方、遺族や親族は【遺産相続】の話し合いには別の弁護士を入れて話し合ったのだが、やはり【遺言書】がないと話しがまとまらない。
遺族・親族がこう話していた。
「なぁ~? ご当主は本当に《遺言書》をお書きになったのかなぁ~?」
「いや、まだよくわからないのだ、何せ急死だったからな。」
「いや、その前も病だったからな、書いてる暇などなかったかもしれないな。」
「それじゃあぁ~ 《遺産相続》の話しはどうなる?」
「今はそれどころの話しではない! 殺人事件も起きているんだからな!」
「・・・」
「そうだ! 連続して起きているし、しかも我々はまだ疑われているのだ!」
「ああ、そうだ! そうだ!」
などと遺族・親族の間でも議論が起きていた。
警察の捜査が行き詰まり頭を抱えている時に、なんとまた殺人事件が起きてしまい "┣┫グループ連続殺人事件" と平行して行う事になった。
『R』(女)と言う方が殺害されていて、死因は毒殺であった。
警察は犯人の行方を追っているのだが、 "┣┫グループ連続殺人事件" との関連があるのかも、と捜査をしていた。
これで犠牲者が、3名になってしまった。
1人目が当主の愛人のUで当主の長女のSに殺害されていて、Sは既に逮捕されていた。(絞殺)
2人目がSの夫が殺害されていて、犯人の行方を追っているが、今一番有力なのが、行方不明になった専属の弁護士Bなのである。(刺殺)
3人目が身元詳細不明のRで、現在も犯人の行方を追っている状態だ。(毒殺)
ここで遂に遠藤氏が捜査本部に合流して、驚くべき早さで事件解決に近づいていたのだ。
《彼はさすがである。》
まず、Sの夫を殺害した犯人が特定したのだが、なんとRはSの夫の不倫相手であり、別れ話しが拗れてRはSの夫を殺害してしまった。
それを知ったSが今度はRを殺害したのだ。
取調室、遠藤氏の前でSが自供したのをキッカケに殺害証拠やSの指紋が見つかってきたので、Sを再逮捕した。
つまり当主の長女のSの夫は不倫相手のRに殺害されてしまい、そのRと当主の愛人のUの二人は、Sに殺害されていた。
しかし、未だに行方不明の専属の弁護士Bは、さらなるその後の捜査で、なんと彼は既に死亡していて、後日遺体(白骨化に近い状態)となって発見されたのだが、驚きくべきは死後1年以上は経っていて、当主の存命中には既に死んでおり、死因は鈍器のようなモノで撲られて、頭部を破損させての頭蓋骨骨折と大量出血死で殺害されていて、その犯人はなんと当主だったのだ。(撲殺)
当主は愛人のUと専属の弁護士Bの二人が付き合っていたのを知ったからである。
結局は【遺言書】は闇に葬られてしまい、【遺産相続】は裁判で決まったのだが、もはや遺族や親族が遺産を受け取る事がなく、Sの有罪が確定して、当主は被疑者死亡のまま書類送検で終わったのである。
そして【遺産相続】の際に現れた専属の弁護士Bは、既にこの世の者ではない(つまり幽霊である)事は言うまでもなく、その後は『┣┫グループコンツェルン』は企業からも財界からも姿を消していた。
遠藤氏は最後にこう言い残していた。
『ふむ、愛人《U》と専属の弁護士《B》の当主に対する復讐は完了したな!』と
━ 完 ━