01『ガードレールの謎』
『ガードレールの謎』
私はドライヴが好きで、仕事が休みの時は、よく出掛けていました。今回は遠出をし、山道に入り抜けると崖道が出てきました。その崖道は舗装された立派な道でしたが、一ヶ所だけ
『ガードレールがへこんだ所』
があったのだが、気にせず通り過ぎました。そして、大きな道に出てパーキングエリアに降りました。
食事をとっていると後ろから数台の救急車とパトカーがサイレンを鳴らしながら、私の来た道を走っていきました。気になった私は後を追いました。すると、あの崖道で追突事故がありました。なんと、あの
『へこんだガードレール』
に車が2台も追突していたのですが、2台はそれぞれ別々に追突したそうです。私が通り過ぎて数十分後に軽自動車が激突し、その数分後にワゴンが激突したのですが、奇跡的に死亡者はいなかったそうですが、重傷者が多かったそうです。あの『ガードレール』では、よく頻繁に追突事故が起こるそうです。
事故現場に着いてみると、すでに警察が現場検証をしていて、野次馬が騒いでいました。私は野次馬に混じって、事の成行を眺めていたら、『遠藤さん』(私です)と呼ばれ、刑事が私の所に来ました。(実は私は警察官で警視庁本部部長「警視正」なのです。)
「どうしたですか? こんな所で・・・」
『休暇! ドライヴだよ!』
「へぇ~、それにしてもこれは凄いでしょう?」
『・・・』
その時、私は強烈な違和感を感じました。ここにいる連中が気づいているかは解りませんが、私は刑事に言いました。
『なぁ、少しおかしくないかな? あの【ガードレール】なのだが凄い頑丈だよな。』
「えっ?・・・ぁあぅ!」
そう、車が2台も追突しているのに、例の『ガードレール』は大破もせず、少しへこんでいるだけでした。
『これ、普通にあり得るのかね~!?』
「そっ それは・・・」
刑事は大変驚いた様子ですが、鑑識官が『ガードレール』に触ろうとした瞬間、刑事が大声で
「待てっ! 触るな!!」
驚いた鑑識官は動きをピクリと止めました。私もその鑑識官に頷きました。鑑識官はあの『ガードレール』だけは調べずに現場検証をするという異例の処置をとったのですが、私は彼(刑事)の判断が正しかったと、今でも思います。
感じる人には判る事ですが、あの『ガードレール』の周りには、【霊】が多数いるそうで、今でも、追突事故が絶えないそうです。
何故、私があの『ガードレール』を通ったのに事故に遭わなかった事については、まぁそれについてはおいおい判るかもしれないでしょうかね。