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名も無き世界 VRMMO編  作者: 有加田 慧条
序章、或いは始まりのハジマリ
8/26

雷獣戦 ≪魔剣 雷剣ミョルニル≫

更新更新ー(^^♪

スローモーションで流れる自分の剣を見ながら、ふと思う。


このまま行けばスキルの途中で、『スラスト』を発動できる体勢になれる。

スキルチェインの可能なスキルでしかスキルの連続使用はできないが、スキルの発動の途中でスキルを上書きすることはできないだろうか。

このままやれば負けるのだ。それならやってみるのも面白い。


剣が騎士の鎧の途中まで斬り込んだ瞬間、俺は叫んだ。



「 っ!! 『スラスト』!!!!」



左手を剣の柄に当てて全力で打ち込む。

一気に前に向かって加速された剣が騎士の鎧をえぐり、吹き飛ばした。

騎士のHPバーを見ると、1ドットも残っていなかった。


「勝った・・・」


本当に死ぬかと思った。


俺がポーションを飲んでHPとMPを回復している途中に、倒れたままの『騎士エイベルク』が話しかけてきた。


「貴様、ここまで強かったとはな・・・」

「あんたこそ強かったぞ。俺こそ燃え尽きたぜ。真っ白にな。」

「ふん、まあよかろう。貴様にこの剣を預けよう。貴様の腕でならまあ、扱えるだろう」


エイベルクが差し出してきた剣を受け取り、カーソルを合わせて名前を確認する。


魔剣 『雷剣 ミョルニル』


装備していないものはカーソルを合わせても名前しか分からないが、相当強力なものだということは分かった


「魔剣か。あんたこれどこで手に入れたんだ?」

「その魔剣は呪われていてな。そう簡単に話すわけにはいかんのだ。しかしそれを身につけるのならば気をつけろ。呪いに飲み込まれるぞ」

「というかあんたHPが0になったのに何でまだここにいるんだ?」

「薄情だな貴様。まあ、その魔剣のおかげで死んでもここにいられるのだが。それはいい。貴様はこの剣を受けとる勇気はあるのか?」

「ああ。ありがたくもらっていく。だがいいのか?こんな立派な剣を失って」

「さっきも言ったろう。呪われた魔剣なのだ。それに、貴様のような奴の手に渡るなら本望だ」

「分かった。感謝する」

「ああ。それでは帰るとしようか」


騎士や冒険者などといった特殊な一部のNPCには死んでも街中で復活するシステムがある。どうやらその類の人間だったようだ。


「もしもこの国の首都コノワノールに来ることがあればここにこい。招待状だ」

「これって……お前この国の騎士団の指南役なのか?!」

「そうだが?その剣のせいで本来の力は発揮できなかったのだがな。資格無き者が持てばHPが減ったり死んだりステータスがダウンしたりするのだ」

「おい。今さらっとやばいこと言わなかったか?!!」

「ちなみに私の場合は全ステータスが十分の一になっていた」

「それでこれかよ。本来はどれだけ強いんだ」

「貴様がどれだけやれるのか見届けてやろう。そろそろ町に転移されるが質問はないな。」

「特には。剣はしっかりと使わさせて頂く。また今度な。」

「………ところで何かバットステータスはないのか。その剣は厳しいぞ」

「特にはないようだが」

「そうか……貴様こそ非凡な才能の持ち主なのかもしれんな。

それではまた会おう」


騎士エイベルク改めコノワノール騎士団指南役エイベルクはその体を光に変えて、死に戻りしていった。





「さっきの戦闘でスキル熟練度がアップしてたりするかな。確認確認っと」

俺は雷剣ミョルニルをメニューウィンドウから装備して、ステータスを確認した。


エデン ヒューマン 8Lv




HP:120

MP:80

STR:90

VIT:90

DEX:90

AGI:135

INT:90

残りスキルポイント:40

スキル1:片手剣      熟練度38/500

スキル2:雷系統魔法    熟練度16/500

スキル3:雷系魔力     熟練度16/500

スキル4:武術       熟練度4/500

 スキル5:武器防御     熟練度18/500

 スキル6:気配       熟練度38/500


下克上 返り討ち NEW スキルドッジ(6)



NEW 柔剣 敵の攻撃を、スキルを使わず武器のみでずらす。

武器防御の上位スキル


敵の物理攻撃の方向を武器をぶつけることによって変えることができる。その最中武器の耐久度は減らず、柔剣を発動している攻撃に対してのみVITが二倍になる。

発動中、隠しパラメーター:スタミナが大幅に減少し、スタミナが一定以下になると柔剣が解ける。


NEW スキルオーバー スキル発動中に他のスキルを発動し、上書きする。

自分の発動しているスキルに対し、他のスキルを上書きすることができる。

スキル発動後、発動していたスキルの半分の硬直時間と上書きしたスキルの硬直時間だけ、スキル硬直になる。

失敗した場合、スキルは停止しスキルディレイが起こる。

発動したスキルと上書きしたスキルの消費MPの合計分MPを消費する。


NEW ボスブレイカー ソロでボスを倒す。

ボスモンスターを倒した場合のレアドロップ取得確率が上昇。


「……え?」



ステータスがすごいことになっている。

というかエイベルク一体を倒しただけであんなにレベルが上がるとか運営大丈夫か。

本来は雑魚モンスター五十体を狩ってようやく3Lvだと、直から聞いたことがある。

まあ、エイベルクの全ステータスが十分の一になってもたぶん本来の経験値はそのまま入ったのであろう事と、やっぱり本来は上限八人のパーティーで攻略するべきところを一人で倒したことが原因だろうと見切りをつける。

ちなみにこの世界でパーティーを組んでも、パーティー用のモンスターがいるため、それらを狩れば経験値等が減ったりはしない。逆に、今回のようにボスクラスのモンスターを一人で倒したりすると相当な経験値が入る。

というかよく考えたらものすごく無謀なことをしたな。まあ勝ったからいいか。


今回手に入れることができたスキルポイントを、30をAGIに振り、残りを今回不足を感じたSTRに振る。

これでいくらかは敵を倒しやすくなるだろう。

というか武術スキルが上がっていない。10Lvになった時に新しいスキル枠ができるから、ついでに回避スキルを買って、代わりに入れよう。


そして、『武器防御』を『柔剣』に進化させる。


ネットから得た情報だが、スキルの派生は、上位派生と、上位スキルがある。

上位派生スキルは、元のスキルは消えないが、一種類のモンスターのみに効果が発揮されたり、特定の条件下のみで発動できたりというようにといった使いづらいものが多い。

上位スキルは、スキルを進化させると元のスキルは消滅するが、より強力なものが多い。

よって『武器防御』は消えるが、今のスキル熟練度上昇のブースト(ボスとの連戦)を見逃がすわけにはいかないのだ。


そして、さっきから気になっていた魔剣を装備してみる。


「っと。意外と軽いな」


魔剣とは魔法剣の一種で、とても少ない上にほとんどが一振り限りのユニークウェポンなのでSTR要求値が相当に高く装備できないことも覚悟していたのだが、すんなりと右手に収まった。

とりあえずステータスを確認してみる。


片手剣 『雷剣ミョルニル』 魔剣(ユニークウェポン)


装備要求ステータス……AGI Lv×2

雷系統のスキル発動時に消費MPが減り(大)威力が上昇(大)。

最も熟練度の高い武器スキルの形をとる。それにより装備要求ステータスおよびステータス補正が変化する。

装備時、MPを継続消費することで雷剣ミョルニルを使った攻撃に雷系統属性ダメージ付与。


片手剣

AGIに1.2倍の補正。

STRに1.1倍の補正。

VITに0.7倍の補正。


* この武器は最初に装備したプレイヤーとプレイヤーが認めた者(五分間)のみが装備可能です。それ以外の者が装備すると全ステータスに五十パーセント補正及び継続ダメージ及び剣の効果が発動できませんのでご注意下さい。


戦闘で死亡してもドロップしません。

 

 * ユニュークスキル『雷剣』が、ユニュークモンスター:白虎天狼(びゃっこてんろう)に認められることによって開放されます。

 

 

 ものすごいステータス補正だ。

 というかこれって雷系魔法特化のプレイヤーが持てばチートになるんじゃないか?

 しかし、本来はミョルニルっていうと、北欧神話の神トールが持っている超重い槌だったと思うんだが……、もしかして、魔剣の類は全部姿形を変えるのか?

 帰ったら直と話してみるか。

 まあ、いいものもらった的な感じでいいのか?


ちなみに、武器の耐久度に関しては、自分で見て調べるしかないらしい。

 HP・MPが完全に回復したところで、部屋に入った時には気が付かなかった、かなりでかい扉を見上げる。

 気配からして、間違いなくこの奥に今回のクエストのボスたる雷獣がいるのだろう。

今度も勝てますようにと願いながら、俺はその扉に触れた。


どうでしたか?


エデンの持ってる情報は、ネットからか、直とミルシェから聞いた物です。

直もミルシェも最前線組だったから、相当詳しかったりする。

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