表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
名も無き世界 VRMMO編  作者: 有加田 慧条
現実、又は始まりを告げる創世
19/26

スキル 魔道書制作3

一週間ぶりの更新……。

まずは表紙を作る。

この作業ではいろいろな飾りも作れるが、今回は単純なもの一冊でいい。

高価なアイテムを使う必要もないので、【ラン草原】に出てくるLv3の【ホーンラビット】のドロップアイテムを一式使う。


【ホーンラビット】(これから下は兎)の皮を実体化させる。

若干灰色っぽい白の毛が生えた皮を裏返すと茶色い下地がある。


それを地面において、右の手のひらをかざす。そして、手のひらと兎の皮の中間くらいの場所に普段の攻撃魔法とは違った魔方陣を出現させる。

魔方陣を地面に下ろしその上に皮を置いて、魔力を集中させる。



この世界の魔法というものは、自分の体内にある『純粋な魔力』を加工して属性を与え、それに魔方陣に魔力を注いだり、詠唱したりして何かしらの力を持たせたものだ。


今回の【魔術書製作】の魔方陣は『純粋な魔力』を使って動かす。

 

魔方陣に注ぎ込まれた『純粋な魔力』で魔方陣の効果を発動させると、魔方陣から光が走った。まぶしすぎて、あわてて目を閉じる。

五秒ほどして目を開けてみると、そこには本の表紙から中身を引き抜いたようなものが(ような(・・・)ではなくそのものだが)おいてあった。


「お兄ちゃん、何かあった!?」


さっきの光を戦闘のエフェクトかなにかと勘違いしたのか、ミルシェ、直、フィーネが駆け寄ってくる。


「悪いな、今のは【魔術書製造】の【表紙作成】を使ったら光っただけなんだ」

「へー。ちょっと面白そうだから見ててもいい?」

「ああ。別にいいけど邪魔はしないでくれ」

「「「はーい」」」


ということで観客が数人できたが気にせずやっていこう。


表紙はとりあえずこれでいいので、次は中身を作ろうと思う。


そこらへんで手に入る木の枝や木の皮を三つほど放り込んで、また魔方陣を出して作り出す。

ここでMPがなくなりかけたので、非戦当時は結構早めに回復していくのでMPポーションとかは使わず、さっき手に入ったA4くらいの紙の束を数える。


「あれ?たったの三枚?ミルシェ、盗ってないよな?」

「ひどい!なにもしてないよ!?」

「ごめんごめん」 

「まあいいんだけどさ…」


一人でぶつぶつ行っているミルシェを無視して考える。


「ということは、放り込んだアイテムの数と紙の枚数は同じか。とりあえずこれだけでいいから一冊作るか。」

「あれ?もっと作ればいのに、どうしてなの?」

「たくさん作って失敗したらいやだろ」

「なるほど」


そうして話すこと少し。MPも回復したので喉口を作ることにした。


【始まりの町】を出たすぐのところにいた【スライム】からドロップしたスライムの体液を取り出し、出現させた魔法陣の上に乗せる。


魔方陣を出現させて、さっきまでと同じように変化させる。


それを表紙の上に載せて、紙をくっつけて出来上がりだ。


「意外と簡単なんだね」

「まあ、一番難易度が低いものだったからな。上のレベルのものを作ろうとすればかなり厳しいと思う」

「へえ。ところで、効果は何なの?」

「効果って…ああ。そういうことか。コイツに魔方陣を書き込めばいいみたいだな。

それで、戦闘中とかにMPを消費せずに魔法を使える。ただし、一回使えば二度目はないみたいだけどな」

「ええっ!お兄ちゃんそれチートだよもう!!」

「そうか?一度に持ち歩ける魔術書は限られてるし、このくらいの奴なら低級魔法一個が入ればいいほうじゃないのか。威力も落ちるみたいだしな。そもそも手に入れるための手段がいろいろ面倒だしな」

「それでも十分すごいけどね…」

「エデン、お前それ売ったら絶対儲かるぞ」

「いや、売るつもりはないぞ。もったいないだろ。それにいろいろ聞かれたりしても困るし」


俺たちが話していると、他のメンバーたちもやってきた。。


「それがいいですね。そういうことはあまり知られないほうがいいです」

「だよな。それに、ただでさえ俺の場合は秘密が多いしな。ユニークスキルとか武器とか」


このことはばらす必要はないと思う。面倒な目には合いたくない。


「だよねー。相変わらず規格外というか」

「公式チートだな。トッププレイヤーになったりして」

「さて、魔方陣を書き込んでみようか!」


自分にとって嫌な事は聞かないに限る。


さっそく、俺が作った魔術書に魔方陣を書き込む。とはいっても、初級魔法【サンダーソード】の魔方陣を書き込むだけだ。


この世界では、魔方陣は上級になればなるほど難しくなる。

逆に、低級な魔法であればあるほどに魔方陣は簡単になる。

【サンダーソード】の魔方陣は◎に×と+を書き込んだものだが、これでも手書きでは結構難しかったりする。



 「ふう、できたか」

 

 これだけのものを書き込んでおくだけでもかなりの時間がかかった。具体的には30分ほど。

 

 「後は効果だけど…まあそれは飯を食ってからにしよう」

 「いえーい!」

 「「「うるさい」」」

 

それから飯を全員で食べた後、俺たちは【魔術書製作】の効果を確かめることにした。

 

 「こうやって、ページを開いた状態で敵に向ける。それから呪文を唱える」

 「なら、目標はあの木にしましょうか。普通の【サンダーソード】なら、切り倒せますよね?」

 

 少し太めの、真正面にある直径三十センチくらいのサルスベリのような木をヒルドが指して言った。

 そちらを向いて、魔法を開放する。

 「『雷よ、我が力を糧とし、剣となりて顕現せよ、【サンダーソード】』!」

 

 いつもの呪文を唱えて、目測三メートルくらいのところにある木を目掛けて魔法を撃つ。


 そしてそれは木を小さく焦がして、消えた。

 

 「え?これだけ?」

 「お兄ちゃん、今度は普通に撃ってみて」

「あ、ああ。『雷よ、我が力を糧とし、剣となりて顕現せよ、【サンダーソード】』」

 

 普通に撃った【サンダーソード】は、同じ木に命中した後そのまま断ち切った。

 

 「単純に威力が落ちるって事みたいだな。MPの消費はほとんどないけど」

 「うーん。微妙ですね」

 「そうだな。まあ、思いついた魔法を書き留めとくことにしておけばいいだろ」

 「それはもったいないよー。まあ頑張ってねー」

 「え?何を?」

「…素材集めとかいろいろ。β時代からの生産職は上位か下位のどちらかに大きく離れているのと同じ理由」

「なるほど。資金のやりくりとかで大きく差が出るって事か」

「…そのとおり」

「まあ、何とかなるだろ。俺は戦闘メインなんだしな」

「ふっ、まだまだ甘いねお姉ちゃん」

「よしそこに正座しておねえちゃんといったことについて謝罪しろ」

「おねえちゃんとは言ってないよ!お姉ちゃんっていったんだよ!!」

「明らかに無茶だろそれ!?」

「正しいと思えば何とかなるんだよ!!」

「何が!!?」


詠唱はノリで入れてみました。

多分もうしません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ