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名も無き世界 VRMMO編  作者: 有加田 慧条
序章、或いは始まりのハジマリ
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始まり。

よろしくお願いします!!

通称【VR】バーチャルリアリティ、仮想空間を野崎伸也という科学者が作り出したのは十数年前だ。

しかしそのときにはまだVRMMOを作れるような規模の情報空間を作ることができなかったらしい。

しかし、ほんの五年前、またまた野崎信也が新しい高度自立式演算プログラムを作り出してから一気に大手企業や国も協力し始め、ついに去年、アメリカ・ブラジル・イギリスとドイツ・日本の会社の4箇所でそれぞれ別々のVRMMOができあがった。

 それらの中でも最も早く創られた日本のVRMMO。

その名は【()()世界(せかい)】。

 去年十万人を超える応募人数の中から幸運な二千人のβ(ベータ)プレイヤーたちがついに初めての仮想世界を体験した。

さらに去年の終わりごろにスキルなどの募集をし、正式稼動ではその中から選ばれたいくつかが組み込まれる。

正式稼動は8月1日。


 何でも友人(βプレイヤー)が言うには本当に現実とも見分けが付かないほどの出来だとか。さらに、ゲーム内部の時間は現実世界より3.5倍の速さで時間が流れていくらしい。

何でも体感速度を上げることによってどうたらこうたら・・・俺にはさっぱりわからない。

そして、学校の放課後、俺――白石(しらいし) 祐也(ゆうや)は前記した友人こと(はら) (なお)(さだ)の自宅でなぜか実の妹白石(しらいし) 優花(ゆうか)(βプレイヤー)と幼馴染の加里屋(かりや) 春香(はるか)と直定から尋問を受けていた。

実は直定と春香は恋人同士であるが、ここでは特筆には値しないだろう。


「何でスキル募集に選ばれたと教えてくれなかったか教えてくれるかな?」

 

「いやなんでこんなことになっているかを先に教えてくれるかな(なお)そしてお前は警察官かコラ」


アホ顔に手帳とペンを持ってすごまれても大して怖くは無いが、なぜか終わらせた宿題を知らない間にパクられていればそれは腹も立つ。

 

「いや、今回ばかりはこのバカの言うことが正しいよ。お兄ちゃん」

「え、馬鹿ってまだその扱いなの?春香ちゃん?」

「その呼び方はなしといいましたよね。アレ?あなた誰ですか」 

「いや、本当に教えてくれる?なんでだまってたの、祐也。それにどうして選ばれたの。たしか特典で無料でVRに必要なものが付いてくるからってβのときよりも多くの応募人数があったらしいよ?」


勝手に凹んでいる直をほっといて理由の説明をする。


「だから、悪かったといっているだろ。それに500(・・・・)以上(・・)送れば(・・・)何通(・・)か(・)は(・)通るだろ」


「お兄ちゃんが5日くらい部屋にこもってたことがあったのはそのせいだったのか…」

「お前、普通できるもんじゃないぞ500個もスキル思いつくとか。さがは作家志望」

「さすがは白石家、アイデアの数はともかく一度熱中するとなかなかの無茶をやるのは変わらないね」


なんか春香のは褒めているとは言えない気がするが事実だから言い返せない。

現に優花はβに選ばれた去年の今頃からβ終了の二ヶ月間、一日の半分は【名も無き】にダイブしつづけていた気がする。なにやってんだ受験生。あ、俺も今中三生だ。

俺も本にはまった小三から本を読まなかった日はないし、学校では本を読み始めるなら白石に聞けと一部に人間に浸透しているほどだ。

 

「で、春香。【名も無き】を手に入れているのか?」


確か俺の知っている限りでは、β、スキル応募で手に入れたのは合計三千百人ほど。

そして、春香はどちらでもない。

そして正式稼動では二万七千七百のスロットがVR機器とセットで三万円で発売されるのだが、手に入れるには二日も前から列に並ぶ必要があったらしい。

発売日から三日たった今では、オークションに出ているものを十倍に値上がりした三十万円ほどで買う必要がある。実際に目で確認したが驚いた。

こうやって見るとβやスキル応募に選ばれた二千三百人はどれだけ運がよかったのかがよく分かる。

中学生には三万の出費はきついしな。


「うーん。ちょっと無理かな。だけど気にしなくてもいいよ。」


やっぱりは春香には厳しかったようだ。

ふと思ったんだが、優花は運動系、春香はメガネっ子で、どちらも結構な美少女なんだから笑顔で頼んだら列の前へ入れた気がする。優花の胸はまな板だが。


ついでに言えば容姿だけならば俺はかなりの美少女だ。性別は断じて男だが。

実際に直と春香と俺が並んで学校から帰っていると周りからの殺気が直定に集中する。

一度ならずナンパされた事もあるがその時の効果的な撃退法(優花談)を使っている。

どうなったかは聞かないほうがいい、と思う。

少しわき道にそれたな。話を戻そう。


少しさびしげな表情をしている春香。しかしそれは一瞬で普段の顔に戻される。

しかし、まだまだ甘いな!その程度でこの俺をだましきるなど不可能だ!!

 昔にいやな思い出のある俺は、人の表情の変化には敏感だ。

 

 「しかーし!あきらめるにはまだ早い!!」

 「え?祐也」「お兄ちゃん、どういうこと?」「オイどうした祐也。普段から腹黒くてかわいい顔が醜くゆがんで見えウグぁ」


最後の直のセリフがおかしく終わったのは気のせいですよ?何もしてませんからね?

うっかり足が滑っただけで。

 

「フッフッフ。五百枚も出したこの俺が、たった一つしか当選するようなものを考えつかないと思うか?!」

 「え、もしかしてお兄ちゃん?」「お前まさか」

「これだーッ!二つ目のVR機器と【名も無き】だ!!!」


今日待ってきていた二つ目のセットを春香に渡す。


「お前どんな無茶したんだ?さすがに同じ差出人のものは採用されないと思うんだが」「そうだよお兄ちゃん!それに一軒の家から何百通も来ていればさすがにおかしいと気づくよ?!」

「ああ、それらの問題は偽名と、近所の知り合いから親戚までの住所を、許可をもらって使ったことで解消された。「やっぱり腹黒ろアグ」ちなみに一通目は渾身の出来だった俺の名前で。もうひとつは春香の名前で来たぞ。VRの本体に設定してある名前をいじるのは大変だからな」

「あ、ありがとう!祐也!!」


みんなと一緒にゲームをできるのが相当うれしかったのか、急に抱きついてきた。

ちょ、さすがに思春期の少年ですよ俺は。さすがに女子に抱き着かれるとか十年に一度のビッグイベントですよ?しかも胸も当たってるし。

「え、ああ、わ、分かったから離れてくれ」

あわてて春香を引き剥がす。なぜか優花がものすごいジト目でこちらを見ていたがなんなんだ?ニヤニヤしている直は後で殴るとしよう。 


「あ、う、うん」


自分のやっていることに気がついたのか顔を真っ赤にする春香。

なんだかとても惜しいことをした気がするが仕方ないだろう。


この後いくつかの情報交換をして、各自解散となった。

あ、もちろん宣告通りに直は思いっきり殴りましたよ。何か問題でも?

 


どうでしたか?できればコメントをどうぞ。

(春香が顔を真っ赤にさせたのは、そういうのに耐性がないからです。三角的な何かでもドロドロしてもいませんのであしからず)


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