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やすしくんとプール

作者: ポイ宇宙

 前回のやすしくんの続きになります。初読の方はやすしくんからお読みください。

 やすしくんは最近プールに通っている。以前のスポーツテストの際にすべての種目で最下位という屈辱の記録を出したのだ。クラスのリア充からは馬鹿にされ、教室の隅でジメジメとした会話をするオタクどもに下に見られ、女子からは気持ち悪いと罵声を浴びせかけられると散々なため、肉体改造をしようと一念発起してプールに通い出したのだ。

ちなみに、女子の罵声の際は若干興奮していた。女に馬鹿にされることは性的な喜びがあるので何度されても良いのだが、まあリア充もまあまあ我慢できるが、コミュニケーション能力の欠片もないオタクに馬鹿にされることは我慢ならなかったのだ。

「あいつら、普段馬鹿にされているから、下に見ることのできる奴がいたら、とことん執拗に攻撃してきやがる。スポーツテスト以来ずっと下に見てきやがる。この前なんてダイの大冒険を持ってきやがって、クロコダインがやられるページばかり永遠と見せやがるんだよ」

 とみつるくんに愚痴っていた。そして、みつるくんの母親がプールに通い痩せたことを教えてもらい、プールに通うことを決めたのだ。

 

 プールは残念なことにやすしくんの性的欲求を満たすものはなかった。プールを利用するのがほとんど高齢者ばかりなのだ。たまに若い人が来るのだが運の悪いことに全て男性であった。そのため、今日までやすしくんはおとなしくプールに通っていた。

 そして、今日。帰り道でこれからデートに行くみつるくんに別れを告げ、プールへと向かったのだ。

水着に着替え、プールサイドに出ると、やすしくんの視界にある光景が入ってきた。上級者専用の高速長距離コースに水泳によって引き締められたナイスボディの20代と思われるお姉さまがいるではないか。普段は初心者向け25Mコースで泳ぐのだが、すぐさま脊髄反射でやすしくんは高速長距離コースに入水した。

コースにはお姉さま1人だけで、新しく入ってきたやすしくんには目もくれず黙々と泳いでいる。すでにスイッチが入っているやすしくん。お姉さまを食い入るように観察しある法則を見つけ出した。お姉さまは50Mをクロールで、その後平泳ぎを50M泳いでいる。どうやら100Mワンセットのようだ。そうと分かれば、やすしくんはお姉さまがクロールを泳ぎ終わるのを待った。そして、ターンをし、平泳ぎにチェンジした瞬間、プールの壁を蹴り泳ぎ出した。やすしくんは平泳ぎをするお姉さまを後ろから舐めるように見てやろうと企んでいたのだ。

 しかし、そこは高速長距離コースの泳者、平泳ぎでも全力のクロールをするやすしくんを引き離していく。しかしも初心者のやすしくんのクロールは決してうまいと言えるものではなく、振り上げた手が入水する際、スピードを出そうと勢いよく回すため水を叩いてしまうのだ。すると、大量の泡がやすしくんの目の間に発生し、やすしくんお視界を覆うのだ。しかも後先考えず全力で泳ぐやすしくん、コースの半分で肉体への負担が限界を超え、こむら返りが起こってしまった。

「ぐあがぼぼぼぼ」

 溺れるやすしくん、しかし、変に恰好つけのやすしくんは誰にも気づかれないように平静を装いなんとか泳ぎ出した。途中から入ってきたおっさんが一向に進まないやすしくんをあおり出すが、そんなこと言われても無茶だと思いながらなんとかやすしくんは命からがらコースの端へと帰還した。

 こんなことであきらめるやすしくんではなかった。後ろから見ることは無理だ。ならターンする際に水上に出てくる上半身だけでも見てやろうと考えたが、すぐに頓挫した。お姉さまは水中で一回転するクイックターンを使っていたのだ。これでは、目的の体は水中に隠れ一瞬出てくる下半身も弾ける水で見えなくなってしまうのだ。

 色々考えるが全て駄目であった。お姉さまがプールからあがる際に見ることができるのだから待てばいいのだが、今が精一杯のやすしくんはそこまで頭が回らなかった。それに、ずっと休んでいるのもおかしい、泳ごうとしても先ほどの全力水泳で体力を使い果たし、この高速長距離コースで泳ぎ続けることは不可能に近かった。

「困った。せっかくのチャンスなのに」

 傍から聞いた人は何がチャンスなのか悩み、布団にまでその悩みを持って行ってしまうだろう。

 やすしくんは思考をし、見るという行為はあきらめた。

 そもそも、やすしくんの変態行動にはある2つの決めごとがあった。1つ犯罪行為をしないということであった。つまり、この場合だとお姉さまの肉体に触れない、水中カメラを持ち出すという行為のことを指す。そして、もう1つは相手にばれないということであった。自分だけが快楽を得る。そして、相手に不快感を与えないことを考えて行動をするフェミニストなのである。

 その条件下ので、やすしくんは最後の手段に打って出た。

 お姉さまが自分の居るコース端をターンした瞬間、息を吸い潜った。

 口を小さくあけ次に来るおっさんに口をあけていることを気づかれないようにする。そして、水を飲み始めた。

 見ることができないならお姉さまが入っている水を飲んでいるやろうと、とんでもない行動に出だしたのだ。もちろんお姉さま1人が入っているわけではない。何人もの人間が入っている。先ほど述べたような高齢者がほとんどである。つまり飲めば確かにお姉さまのエキスが少しは入っているかもしれないが、大方は潜っているやすしくんを不思議に思いターンしていったおっさんや横のウォーキングコースで昨日の巨人戦の話題で盛り上がっているおじいさん、いつもやすしくんが泳いでいる初心者コースで背泳ぎをしているおばあちゃんなどのエキスがほとんどである。しかし、百害あって一利でもあれば実行するのがやすしくんである。飲む飲む、潜っていた時間はほんの数秒であったが一日に人間が必要な水分をこの超短時間で摂取することに成功した。

「ゲェプ。・・・甘露」

 大きなげっぷをし、欲望を満たされたやすしくんは、何をされたのかも分からないお姉さまを一瞥しプールを上がった。


 家に帰り、さっそく自慰にふけようと企んだが。ここで百害がやすしくんを襲った。強烈な腹痛が起こった。一瞬にしてやすしくんの性欲はなくなり排便欲が彼を満たした。すぐにトイレに駆け込みやすしくんはトイレに座った。

「ふぅ、危なかったぜ。危うくもらす・・・あ」

 ズボンを脱ぐのを忘れていた。


 後日、やすしくんのパソコンの検索履歴欄に、『おもらしプレイ』という単語があった。


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