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朝の風景




この地方では一年の気候があまり変わらない。

日の出とともに起きなければならない私にはそれがとてもありがたかった。


顔を洗い、急いで身だしなみを最低限整え、キッチンまで足音に気をつけながら歩く。

料理長、そのほかの面々に挨拶してから、野菜の皮むきなど、雑用をはじめる。



料理を毎日していた昔以上になれた手つきとなったことが、二年という長さを現わしている。


そりゃあ毎日大量の野菜向いてたらなれるよね。

アキに与えられるのは雑用だけなので、毎日毎日皮むきのレベルだけが向上していた。


皮むきが終われば次は洗いものだ。


この世界はどうやって水を出しているんだろう……と疑問に思いながら蛇口を捻り水をざっぱざっぱと使って鍋や皿、料理器具をきれいにしていく。


それが終わって料理長が仕上げに取り掛かり始めたら、私は坊ちゃんの私室へ向かう。



「おはようございます、坊ちゃん」


私のご主人さまであるジーン様を毎朝起こすのは私の仕事だ。


金色の髪の毛が枕の上で光を浴びている。眠っている姿も美しくて、まさしく天使!!だ。



「ん……」

小さく声をもらし、身じろぐ坊ちゃんはかわいすぎてどうしよう!!という感じがする。



日に日に私の坊ちゃん馬鹿が悪化していてどっちもどうしよう!!だけど。……自覚はあるんです。


澄んだ青い目が眠そうにこすられ、坊ちゃんが私の姿を目にする。



そして天使のような声で、


「出ていって」


……言葉は悪魔のようでした。


不機嫌そうに眉をしかめ、起き上がる坊ちゃん。



「申し訳ありません、坊ちゃん。お着替えを手伝わせて下さいますか?」


まあ、これも一時の反抗期だし……とおもいながらほほ笑む。心では泣いてるけどね!!


「いらない。着替えくらい一人で出来るよ」


だが天使の顔した悪魔は一刀両断。反抗期って辛い!!


「では朝食の準備を。すぐにいたします」


でもめげない。私は頑張れる子!






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