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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

なんとか、ヒールはもらえたけど、後はギリギリらしい

 北原 翔太 (きたはら しょうた)は、孤児だった。
 それなりに苦労をしながら、高校へ進学、バイト三昧と、一人暮らしの生活を始め、夏休みをすぎて、忙しい生活に慣れてきたころだった。




 コンビニの自動ドアが開き、背の高い、痩せた男が入ってくる。
 「いらっしゃいませ。」
 レジで、交代のための精算を終わらせた女性の店員が声をかけた。
 翔太は、バックで飲み物の補充を終わらせ、店内に出ると、向こうに見える痩せた男に一瞬、目を向けて、レジの向こうにある事務所に向かった。
 夜勤の人が来るには少し早いが、時間としては遅い時間で、一番、店員が少ない時間帯だった。
 
 「現金だ。」
 「わかりました。」
 瘦せた男が、放り出すように言い放ちながら、まさしく、カウンターに放り出したスナック菓子の袋を、女性の店員が手に取り、スキャンする。
 「152円になります。」
 黙って、大きめのバッグをカウンターに置き、出した財布から、硬貨を取り出す男。
 「500円ですね。」
 キーを叩き、お釣りを渡すためにレジを開ける女性。

 その手が止まった。

 目の前に、包丁が突き出されていたからだ。
 「ひっ!」
 引きつった声を上げ、下がる女性に合わせて、男が、包丁を動かす。
 「騒ぐな、そこの金を、この鞄に入れろ。」
 「あっ、、。」
 「早くしろ!」
 戸惑う女性に、男が怒鳴り、包丁をさらに突き出したとき。
 「わぁぁぁぁぁぁぁ!」
 横から雄たけびが上がった。
 咄嗟に、声の方を向く男。
 そこには、翔太が、猛然と走り寄っていた。
 「馬鹿か、これが見えないのか!」
 男は、店員の女性に向けていた包丁を、翔太に向かって振り向け、脅すために突き出す。

 しかし。

 頭を覆うようにして腕を上げていた翔太に、それが見えることはなく、勢いづいた翔太と男は激突した。

 包丁は、男が突き出した動作に従い、翔太の胸に刺さり、翔太が走り寄る勢いに従って、深くまでもぐりこむ。

 二人は、勢いよく、レジの横に倒れこんだ。


 「痛い!いや、熱い!」
 胸に、灼熱の痛みを感じながら、翔太の意識が途切れた。
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