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運ゲー野郎のモブ転生――ダンジョン連合vs運営政府  作者: ひとしずくの鯨
最終部 そこが地獄の一丁目な件
94/131

第54番地 各部隊の機体編成2

 第4人格が己のもくろみ通り「風神・雷神」の採用を女王に願い出たのを知り、第3(旧第12)人格はほくそ笑んだ。


 部隊編成・機体編成には、ある程度の合理性が必要というのは、彼自身の認識であった。まずは攻略を成功させるために。より重要なところでは、母上の了承を得るために。今回のレイドでの懸念――あくまで彼個人にとっての懸念であるが、それは彼が分岐体である7を採用したために、コンビ機体「風神・雷神」を押し付けられ、最大の外れくじ――これもまた彼個人にとってであるが――である『地獄巡り』を強制されることであった。


 第4人格の部隊にもやはり分岐体である第23がおり――コンビ機体を操るのは、分岐体が最適とされる――女王がこれを拒んで、己の偽7に押し付けて来る可能性はほぼ0といえる。




 なぜ、『地獄巡り』が外れくじなのか。確かにその神将たる「雷公」については、「風神・雷神」には勝利の実績がある。ただ、その最強コンビに己が加わっても、あすこのマスターに勝てるとは想えなかったからである。


 じゃあ、第4なら、どうなのか? あんなんで戦えるのかと正直想う福ダルマ人形なんて、ワンパンどころかデコピンで終わりだろう。


 第2は? やらかし君は? 三位一体などと偉そうな名をつけているが、あんなの合体ロボだろう。勝てるか負けるか知らんが、負けるのを願っておこう。


 地獄巡りで勝利するは女王であるべきである。




 それでは、己は何をするのか? 己の狙いは4ダンジョン中の最弱『運ゲー野郎』である。己の乗る機体も決めている。「かまいたち」特効たる「不動明王」。マスター戦も含め他の戦いはすべて7に任せるつもりだった。


 そして、この計画――ランダム配置が『地獄巡り』へ引き込む罠であるにも関わらず、『運ゲー野郎』へどうやって至るのか。自ら調べた経験から、この罠の盲点を見だすを得たのだった。『運ゲー野郎』へ至るまで出入りを繰り返せば良いのである。しかと記憶しておるその最初の間へ至るまで。


 女王が最強ダンジョンの『地獄巡り』を攻略し、第2と第4はその助力をなしたに留まる。己が最弱とはいえ『運ゲー野郎』を攻略する。さすれば、己は女王についでの勲功第2位となる。となれば、己が空位の第1人格への昇格もあり得よう。確率から言って、『ぺろぺろ』と『無勝堂』にはいずれの部隊も至らぬであろう。


 彼はまさに己の知略に酔いしれ、かつてなく上機嫌で、7の機体選定を再開した。


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