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運ゲー野郎のモブ転生――ダンジョン連合vs運営政府  作者: ひとしずくの鯨
最終部 そこが地獄の一丁目な件
69/133

29番地 シャクトリンゴの道

 あるときのこと、シャクトリンゴ(巨大尺取り虫)がかたわらにやって来た。体中にキノコを生やしておるは、属性向上の部屋に入ったゆえである。


 そうして、自ら体の後方――尾という言い方が正しいかどうかわからないが――に生えたキノコを食べて見せる。そして、こちらを見つめる。どうやら、お前も食べろということらしい。さすがに生はちょっとと想うが、ちょうど頃合い良く、ミーたんの下でピヨ丸が練習に励んでおった。その吐かれる炎にて焼いたあと、一口、食べてみる。


「うまいじゃないか」

 想わず口をついて出る。


 せっかくだからと焼いたものをシャクトリンゴにも食べさせると、焼いたものを食べたことがなかったのだろう、最初はためらっておったが、おずおずと口に入れると、顔がとろけるように緩む。ピヨ丸にも食べさせると、ピヨとしか鳴かぬが、満足げな表情を見せる。近くにおる三助にも、おすそわけ。ミーたん合唱団の面々にも。ミーたんには弟子たるピヨ丸が飛んで運んだ。いずれも好評……の気がする。


 そうだ。大事な人を忘れていた。ここで、女神様を呼び、食べさせると、「とてもおいしいわ」との声。


「やったな」俺がシャクトリンゴにそう言うと、喜びあふれ、高速尺取り運動をして迫って来る。


 俺が想わず逃げ出すと、女神様はといえば、しっかり抱きしめる。女神様の愛はふけえな。なんか、嬉しさのあまり、シャクトリンゴが泣いている気がして、俺ももらい泣きしてしまった。


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