23番地 索敵
第23A人格の不動明王、第23B人格のゴム・マンボウ、第23C人格のオーディンへの換装を終了。中性的な声が告げる中、不動明王の巨体が、まるで赤ん坊のように前のめりにこける。
「くそったれ。換装なんて久しぶりだから、コツをすっかり忘れちまった。でも、何で第12人格が我らに命令できるんだ?」
オーディン
「番号が上なんだから仕方あるまい。ただ、あいつに指揮権を委ねるなんて、どうかしている。誰かもっとましな奴をあいつの上につけるべきだろう」
ゴム・マンボウ
「それもそうだが、何で私だけこんなものに乗らなきゃいけないんだ。狂乱の三姉妹の二つ名が泣いているよ」
オーディン
「メモリ上書きが終わって文句を言っても仕方あるまい。それに理由もある。そこを含めて、これからいくところを説明する。
ダンジョン『運ゲー野郎』。注意すべきモンスターは浮遊電気クラゲ。そなたの乗るゴム・マンボウが特攻だ。注意すべきはもう一体いる。カマイタチだ。特攻は不動明王。
そして、ボスのアビリティは隠し通路と硬化。ただ、オーディンのたずさえる必中の槍グングニルがあれば、敵ではない」
ゴム・マンボウ
「はいはーい。自分だけ、いいのに乗っちゃって。何にしろ、早く終わらせよう」
オーディン「いいか。今回の目的はあくまで索敵だ。余計なことはするなよ。また、析出=固体化されたいならな」