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運ゲー野郎のモブ転生――ダンジョン連合vs運営政府  作者: ひとしずくの鯨
最終部 そこが地獄の一丁目な件
57/131

17番地 ダンジョン『存在の空処(くうしょ)』

「しかし、ダンジョン名そのままに、存在しないも同然のここに、そなたもよう訪ねて来てくれるのう」


 運営使者はダンジョン・マスターの前にかしずく。その所作は、この者の普段に似合わず、慇懃いんぎんなものであり、その印象のままにいえば、まさに本物の主人にはべる巨大白猫となろう。


「何をおっしゃいます。でも、このダンジョンもまさにモンスターがあふれるほどですね」


「増えるばかりで、減ることがないからな。といって、彼女に召喚するなとは口が裂けても言えぬ」


「喜ばしきことと存じますが」


「うむ。我もそう想う。で、今回は何を報せに来てくれたのだ?」


 ここで運営使者は4つのダンジョン『地獄巡り』、『ぺろぺろ』、『無勝堂』、『運ゲー野郎』が隠し通路でつながり、ダンジョン連合のごときが結成されたことを告げる。


「ほう。これまでになきことだな」

 マスターは想わず身を乗り出す


「ここにも隠し通路をつなげてはいかがです。いつでも、三助――運ゲー野郎の使者ですが――をかっさらって来ますよ」


「はやまるな。まだまだだ。それに、どのみち、動くときには動く。そなたや我が何をどう望もうとな」


「でも、好機を待っていらっしゃるのでしょう?」


「誤りはたださねばならぬゆえな」


「しかし、挑戦権の行使における史上唯一の勝利を誤りと言われては、運営政府もどんな顔をするのやら」


「それはどうでも良いが。いずれにしろ、我が動くには彼女の許可が必要。何せ、彼女の愛するモンスターたちを再び危険にさらすことになるのだからな」


 そう聞いて運営使者は居住まいをただして、


「あ奴らだけでもなんとかなるやもしれませぬ。決断は慎重の上にも慎重を」


「うむ。そなたの言うとおりだ」


 あらゆるまぜっかえしとは無縁に、謁見は終わりを迎えた。

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