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第39話 愛の問責

 無勝堂から戻って来た女神様が、俺を立たせて、自分も真向かいに立ち、気負い込んで尋ねるには、


「私のこと。どう想っているの?」


 流れる髪の白銀はキラキラとし、その白い頬は紅潮しており、背丈の差だけ上目遣いとなる瞳は熱を帯びてまっすぐに見つめて来る。声にはあどけなさではなく、凛とした響きをまとう。

 

 本当の気持ちを言うのは、さすがに恥ずかしく、

「もう、ばれているだろう」と最低限の抵抗をしてみる。


「それでは分からないわ」


「す……好きです」俺、よえー。


「そう。なら、いいわ」


「何で、いきなり聞くの」


「桃先輩に言われたの。マスターと召喚師は夫婦めおとになるのだから、まず、マスターの気持ちを確認しろって」


「俺でいいの」


「いいわ」彼女の目も口調も柔らかくなる。


「じゃあ、俺のこと、好きなんだね」


 恐ろしく冷たい視線が帰って来る。見上げられているのに、見下ろされているように感じる。どうやら、聞いてはいけないことを聞いたらしい。


「俺。死ぬ気で頑張るから」

何とか言葉をしぼりだす。


「いつも死んでいるじゃない。あんまり死なないで欲しいんだけど」


 ああ。本心を伝えんとして、女神様のかたくなモードを誤作動させてしまう俺。


 ふと気になり、尋ねてみる。

「もし、嫌いの返事だったら、どうなったの」


「追放に決まっているじゃない」


 追放。俺って『屁コキ野郎』並み?


 でも女神様は以前ここに転生して来るのは、死んでからって言ってたじゃない。知っているんだよね。俺が死んでるの。俺、追放されたら、どうなるの。向こうの俺。絶対、骨だよ。もしかして、俺の扱い、『屁コキ野郎』より下。


 わずか数分の間に色々あって、立っていられず、気付いたら、膝から崩れ落ちていた。

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