第33話 尻子玉先生と中継基地(第6人格)1
尻子玉先生は中継基地(拠点)に赴き、それにに換装しておる第6人格に相談した。どこぞ分からぬ館に呼ばれ、そこで運営使者(旧第3)と女王に出会った件である。彼ら2体は滅したのではなかったのか? なぜ、2体で行動を供にしておるのか? そして、何をなさんとしておるのか? おまけに、その館がなぜか学校に現れた。分からぬことだらけであった。
思慮深き第6人格のことであるから、その件に関して回答とまでは行かずとも、それへ至るヒントでもと期待したのだが。
ただ、想わぬ反応が返って来た。
「是が非でも、わしも会いたい」
巨大な建物がまるで人の如くの言葉を吐く。我は予期せず会ってしまったから、そんな想いを抱く暇さえなかったが。
「その気持ちは良く分かります」
「なら、しばし、交代してくれ」
「交代ですと?」
「そなたは、この中継基地に換装して、拠点の役目を引き継いでくれ。わしは阿修羅王に換装し、そなたが果たしたことを受け継ぎ、呼ばれるのを待つ」
「はあ。ただ、桃の姉さんや蓮華の嬢ちゃんが何と言うか、聞いてみないと」
「そこは心配要らぬ。そなたがあの者たちを知る前から、わしは顔見知りじゃ。ここ拠点で多少は親交を深めたつもりだ。それに」しばしここで考える風であり、「そうだ。そなたはあの宇宙船に換装したいと言っておったろう。ここで拠点の務めをしっかり果たすなら、わしも自信をもって推挙できるというもの」
「いや、あれは空き機体なので推挙は不要かと」
「ただ、学校には用いられていよう。それを理由に反対する者がおるかもしれぬ」
あの福ちゃんの可愛らしい姿が想い浮かぶ。そんな交換条件を出されなくても、そもそも応じるつもりであった。他方で宇宙船に乗りたいと言うのも確かで、なら、一層、拒む理由は無い。
「桃の姉さんにはわしから連絡しておく。そして、彼女の許可が得られれば、各ダンジョンのマスターにも呼ばれる可能性があることを報告しておこう。では、しっかり頼むぞ」
そう言って、阿修羅王に換装しなおすと、陽光の下、急ぎ学校に向かう。それを見送る尻子玉先生の心は既に遠くへと飛んでおった。
宇宙か。どんなところなんだろう。




