第21話 遊園地11
滅尽の武器7種のいずれかを選んでいいとなりご満悦のヒュプノス。ただ、目移りしてしまい、「うんとね。うんとね」となかなか結論が出ず、「後で選ぶ」とあいなった。
タナトスはタナトスで、ヒュプノスの僕の欲しいの選ばないでね目力を感じては、「俺は余り物でいいよ」と自ずとなる。
「あれ? 目をつぶっても消えないよ」
「あれは闘技場の中だけで有効なバフなのだよ。外でも使えるようなバフを授ける力は我には無い」
「えー。つまんない。そういえば、タナトスの腕も普通に戻ってるし」
「俺はこっちの方でいいよ。あんな腕では、かゆいところもかけぬ」
確かに彼ら一行は、ちょうど闘技場の妙に横に広い入口を出たところであった。
次にどこに行こうかという如く、ヒュプノスは目を輝かせて周りを見回す。
「あれっ。変なのがいるよ」
少しばかり遠くに4体。ヒュプノスがパタパタとそちらに飛んで行ったので、他の者も仕方ないという如く、その後を追う。遠目にはキノコの如く見えたが、近づくとブロッコリーの如くその頭はシュワシュワしておる。背丈はヒュプノスの半分くらい。ヒュプノスは4体中の1体に近づき過ぎだろうと想われるほどの距離に至ると、しゃがみこみ、顔と顔が触れ合わんほどの近さで、
「ねえ。ねえ。変な頭だね。触っていい?」
「ダメに決まっておろう」
「えー。ケチンボ。じゃあ、名前を教えてよ」
「ブロッコ君7兄弟じゃ」
「4体しかいないじゃない」
「ここにはいないだけじゃ」
「あのフタ野郎の仲間か?」
ようやく追いついたタナトスが口をはさむ。
「フタ? 豚のことか? あれは我らが殺した」
「豚? そういえば、ぶっ。ぶーとかのこだまがどこかしらから聞こえて来てたが。しかし、こいつら、ずいぶんと物騒な奴らだな」
「通常の意味で殺したという訳ではあるまい。我らの用いるところの『上書き』が近いであろう」と女王。
「こいつら、悪い奴なの? なら、僕がこいつら上書きしてしまっていい?」
「そんなことができれば話は早いが、我や旧第3とはまた違った意味で存在の位相が異なる。恐らく関われる方法は、これまでやって来た如くのギミックを通してのみであろう」
「で、どうなんだ? 先のフタ野郎は協力的な気がしたが。反対派のおでましということか」
「あえて『殺した』と表現した理由は分からぬが。そこを深読みするべきではないのかもしれぬ。ただ、こいつらにはこいつらしかなしえぬ役割があるとみて、ほぼ間違いないだろう。そして、こいつらに粗が無い訳ではない。7兄弟と称したことから明らかな如く、こいつは全部で7体。そして、それがそろえばこちらの勝利確定。反対派であれ、そうなったら、ごまかしようがない」
「なるほどね。逆にそろわなかったら、負けということか?」
「そうなるな」
「そうなったら、どうなる?」
「我と旧第3はお役御免だろうな。次の世代がなすことになろう。だからこそ、旧第3は滅尽を取り戻したのであろう。まったく用意周到というか心配性というか。今回の我らの役割を、次はそなたとヒュプノスが果たすのも良いかもな、何せ1度経験しておるのだ。我らより、うまくやり得よう」
「おいおい。勘弁してくれよ。こんなもん、何回もやってられるかよ。折角、雁首そろえて来てんだ。きっちり終わらせようぜ」
「言われずともよ」




