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第17話 遊園地8
敵は中に入るほど、手ごわさを増した。体のサイズは小さくなったが、スピードが増した。ヒュプノスを見失うまいと腕刀をふるい、血路を開く。そのひと振りひと振りに、はじめ体のみが躍動した。しかし次第に心までもが喜び、それはやがて歓喜と呼びうるほどのものとなる。
その浅黒き半裸と黒き翼は血化粧をほどこした如くとなり、鼻梁の通った整った顔立ちの中で、血走った眼と半開きの唇が、彼が浸っておるものを暗示する。
「ダメだよ。タナトス。あんまり機体と同化しないで」
いつのまにか、かたわらにヒュプノスが来ておった。
タナトスはちらとそちらを見て、
「分かっている。ただ久しぶりのことゆえ、少しばかりタガを緩めただけだ。残りの敵を倒せば、それで終わりだ」
そうして、残りの敵が数えられるほどになったところで、タナトスはふと動きを止める。中央付近におる七体はまったく動かず、他の者はこちらへと迫る。それを返り討ちにしつつ、タナトスは叫ぶことになる。先ほど、女王に注意を受けたばかりであったが。
「どういうことだ。女王よ。敵が構え持つは『滅塵』の七武器。俺とヒュプノスにも、あんたと同じ運命をたどれということか」




