表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
運ゲー野郎のモブ転生――ダンジョン連合vs運営政府  作者: ひとしずくの鯨
続編2 独立をわが手に(旧題 ヒュプノスとタナトスの大冒険)
192/215

第14話 桃先輩16

(視点は桃先輩です)


 それから、地下にある実の生育状況やモンスターの世話の具合を見て回る。召喚術については明日からやる気だったが、見て欲しいとせがむ生徒たちの熱意に負け、その求めに応じる。


 中には、この短期間でずいぶん上達した者もおり、よくよく聞くと、出て来る名前は白蓮もしくは蓮華。蓮華のやつ、皆の前で召喚ができなかったとしょんぼりしておったが、教える方はちゃんとできているじゃないか。今度、褒めてやらなければ。


 そうしてスミレの件。蓮華によれば、私に話があるとのこと、そして直接話した方が早いとも。


 夕食のあと、3階にある彼女の部屋の扉をノックする。


「ああ。来てくれたの」


 とのいらえとともに招き入れられる。ただ、ともに先のケンカというか行き違いをひきずっておるからだろう、次の瞬間には2人押し黙る。その沈黙を嫌うように、スミレは弥生やよいを呼びに行くからと部屋を出る。一人残された私は想わずため息をつく。


(何の話だろう。蓮華に話してくれていたら)


 弥生を連れて来たあと、そのまま立ち話となる。一応、椅子は2脚あるのだが。スミレと弥生が部屋の奥側に並んで立ち、私は扉側のまま。つまり、入ってほとんど移動していないのだ。


「その後、二人で相談したんだ。そして明日菜あすなの手伝いをすることにした」


(作者注 明日菜は桃先輩の本名です。桃先輩は蓮華がつけた通り名)


「そうなの。うれしいわ」


 意外な展開に驚きつつも、素直に感謝の言葉が出る。


「言ってたでしょう。召喚術はたまたまできたのって。明日菜はズケズケ言う人だから、本心からだと想うの」


(これって褒められてる)


「それで言うと、私たち――私と弥生はたまたまできなかったと、そうなる。それに縛られて、いつまで待っていてもしょうがない。それで行動に移すことにしたの。二人でその結論に達したの。もう、運営政府の先生方もいないし、反対する人はいないだろうから。そして明日菜たちの協力も必要なのよ。だから、まず私たちが手伝うことにしたの」


「行動?」


「学校から出ようと想ってるの」


「出る? 出て何をするの?」


「何をするかは、私たちが決めるわ」


「スミレ。怒鳴らないで」


 これまで黙って聞いていた弥生が、スミレの体に手を添わせて言う。


「まったく。このバカは。あんたなんかに口を出させる気はないのよ」


 その言葉とともに、スミレは私を部屋の外に追い出し、すごい音をさせて扉を閉める。


 たしかに、話は早く終わった。こんなことなら、蓮華に言っておいてくれていたら良かったのに。どう考えても、『蓮華、よく聞いておいてね』案件だろう、これは。しょんぼりしつつ、私は上層への階段を上る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ