第45話 蓮華5
道中、先回りしておった地走り(ゴキ夫)と再会した蓮華は、第6人格からの伝言を伝え、その後、ともに進む。校門のところで、タコタコーと竜を引き取り、ここまで護衛してくれたおむすびヒジキと呪々(じゅじゅ)に対しては、1週間後に迎えに来てと告げて、ダンジョンに帰らせた。ポチと三助と地走りに対しては、拠点に留まるように。ただし、地走りには、嫌なら、ダンジョンに戻っても良いと付け加えた。
小屋から出て来た尻子玉先生に「しばらく学校に滞在するので、よろしくお願いします」と挨拶する。それから学校に入った。
蓮華の行くところ行くところで再会の喜びの声が上がり、相手との親密さによってハグしたり言葉をかわしたりと、様々な仕方で旧交をあたためた。蓮華が卒業してからそれほど時が経っていないということもあり、ほぼほぼ顔見知りであった。
それもあり、教師として、というより懐かしい友人・知人として、となった。加えて、これは、蓮華の性格ゆえというのも無論あったが、桃先輩との違いで大きいのは、子供の存在であった。ウラがいることにより、桃先輩はおのずと親が子に接するようにと――特に年少組に対しては、そうなった。
蓮華の場合、年少組であっても、ほぼ一緒になって遊んでいるという状況であった。でんぐり返りしたり、ケンケンパしたりと。サンゴとは一緒になって虫を食べ、ウラとは体当たりをして、再会を祝した。更には、自分が薦めたお茶にもかかわらず、なぜか一緒になって、「ゲロゲロペー」――そう叫び、口に入れ吐き出してみせる――をしては爆笑と、天然振りを炸裂させておった。
ただ、歓迎ムードの中、先に桃先輩が召喚したムジャムジャ君のみが、「タコタコー」らライバル2体の出現により、己の人気ナンバー1の座が数日で終わらんとしておるのを悟り、ブルーな雰囲気をかもしだしておった。




