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第17話 『くそギミック』をわが手に

 猫がくれた――というか、運営政府がくれたアビリティは、いわゆる隠し通路であった。壁かと想いきや他所よそへ通じておったというアレである。


 これを俺は好きなようにしつらえられるようになったのである。やはり掘る必要は無い。頭の中にダンジョンの図を展開し、そのつなげたい2カ所の部屋を想い浮かべれば良かった。なので、変更も造作なかった。ただ、いくつもの部屋を想い浮かべると、うまく通じなかったり、望まぬ部屋どうしがつながったりした。なので、ちょっとしたコツは確かに必要であったが。


 また、やはり制限があった。この前の硬化の際に十分懲りたので、制限というものは当然あるだろうという心積もりで臨んだ。まず、隠し通路は一本のみ。そしてプレイヤーがダンジョンに留まっている間は変更できぬ。


 なるほど、と想い当たることがあった。指名ダンジョンにては、初回と2回目で隠し通路の配置が異なっていることが、ときどきあったのである。評判の悪い『くそギミック』として有名であった。ゲーム上で隠し通路か否かを調べることは難しいことではない。突き抜けて向こうへ進めるか否か、壁へと進んでみればいいだけである。ただ、却って、それゆえにこそであった。攻略の難易度に関わるわけではない、ただただ、プレイヤーの手間を増やすだけのものとしての『くそギミック』呼ばわりであった。


 俺もまた腹立ちのあまりコントローラーを投げつけたくなったものだ。あの感情をここに攻めて来る奴らに味合わせてやることができると想うと、まさに溜飲りゅういんが下がる想いであった。今や、己にとって『くそギミック』とは悪名どころか、えある美名に他ならなかった。


 そういえば、ダンジョン内の部屋の配置が初回と二回目で全く異なる『ランダム配置』というものもあった。あれも、ダンジョン・マスターのアビリティなのだろうか。そう想うと、是非にも欲しくなるが。まずは手元にあるものにて、迎え撃たねばなるまい。

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