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第42話 蓮華2
蓮華はワクワクしていた。学校に戻れば、皆と会える。何よりそれが楽しみであった。笑みがこぼれて仕方ない。
そして、外の世界がとても新鮮に感じられた。学校にいた頃には、しばしば外で遊んでいた。独立したあとは、生活の中心はダンジョンとなった。出口の周辺をうろうろすることはあっても、これほど離れたことはなかった。
なにより、心に余裕がなかったと今では分かる。楽しくなかった訳ではない。たくさんのモンスターとマスターの道夫との生活。おのずとそれが私の全てとなった。皆が頼りにしている。特にレベル0のモンスターたち。マイペースな蓮華とはいえ、重圧が無かったといえば嘘になる。夢中でやって来た。そして、少しずつ慣れて来た。
蓮華は、紫と白の花びらよりなる小輪をつみとっては、まずは、自分の銀髪に、そして、一行の仲間たちの様々なところに付けてあげる。私の名の由来となった花だ。




