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第31話 桃先輩8

 娘のウラがいることもさることながら、何より安全と栄養の両面で優先して面倒をみたのが年少組ということもあり、どこに行くにも彼女たちがひっつきまいつきするようになった。年中さんと年長さんは、少し遠慮してか遠巻きにしておる。


 そうして、やはりウラを中心として、是非、召喚を見せてくれとせわしない。あなたたちがやるべきことは、食物となる実の生物の世話、何よりモンスターの世話なのよと言ってきかせても、それは分かっているからという感じで求めて来る。


 まあ、そんなにもったいつけるものでもないか。要は半ば根負けし、また、結局彼女たちも最終的には召喚師になるのであるから、その術を早くに見ておいても悪いことはあるまいと、半ば自ら納得する。


 そして校庭にて皆に――やはり間近に年少組、遠巻きに年中・年長組が取り囲む中で――召喚の舞い――先に尻子玉先生や道夫君に見せたものと同じ舞いを披露する


「母ちゃん。きれい」とはウラ。


「おばさん。すごい」これはあの虫大好き、悪食あくじきのサンゴちゃん。


 2人ともキラキラした目で私を見る。他の子どもたちも。そして、三々五々、私の舞いをまねたり、それにとどまらず、早速、アレンジを加えたりしている。


 ところで、転生して来たのは、何やら毛ムクジャラの生き物。「ムジャムジャ君」。誰か――将来の蓮華か――がそう呼び、それが名前となった。


 オバサン呼びは受け入れた。確かにウラの母ちゃんなら、そうなるわな。子供に論破されてどうするとの想いもあるが、何より「先生って、いいな」その気持ちが心地よく、それにひたっておった。


 注:年少組は人間社会の幼稚園~小学生、年中組は中学生、年長組は高校生に相当するとお考えください。そもそも、召喚師は人類よりずっと寿命が長かったりするのですが、ここら辺は分かりやすさ優先のチート設定です。

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