84番地 エピローグ6(本編完結)
ダンジョン『運ゲー野郎』を訪れ、俺(道夫)に地獄巡りでの戦いを語ってくれた鉄チン。その後に三助にねだられ、同じ話をスライム語でしているのだろう。三助の鉄チンを見る目は徐々に熱を帯びる。鉄チンの恋心も実るときが来るかもしれない。ついつい表情が緩んで行く俺であった。
そのひと月ほどのち。
心地よい風の中にある三助。その三助を頭の上に乗せて、地走りは地上を疾駆する。新たなダンジョンを求めてのことであった。道夫の隠し通路が1本増えたゆえだ。また負けたのである。道夫は相変わらず弱い。
今回から護衛としてお猿さんがついて来てくれることになった。敵に贈り物をする気前の良い方だ。
己がかつての己ではないと、地走りは気付いている。ただ、道夫も三助もそんな己を信頼してくれている。道夫は従来同様に使者を運ぶ任務を与えてくれているし、三助は身を預けてくれている。それを己は大事にしたい。
ここまでお読みいただきありがとうございました。とても嬉しいです。本話で本編は完結です。
少し続編の話をさせていただきます。続編は2つに別れます。ともに不定期更新となります。
1つは、(エピローグのような)ゆるい感じのほのぼのした感じで、キャラや設定の深堀ができればいいかなと考えています。こちらは、本編の続きに連載して行きます。引き続きお楽しみいただければ、何よりです。
もう1つは、スピンオフ作品です。タナトスとヒュプノスを主人公として、舞台をたがえて、サイバーパンクというか電脳ものというか、ダークな雰囲気の話となります。ゲームに従属しているこの世界を、そこから分離独立させるための冒険となる予定です。こちらは、別作品として連載します。連載開始時に、本作の方でご案内します。お好みに合いますれば、お読みいただければと想います。