表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
運ゲー野郎のモブ転生――ダンジョン連合vs運営政府  作者: ひとしずくの鯨
最終部 そこが地獄の一丁目な件
119/129

79番地 エピローグ1

『地獄巡り』ダンジョンの雷公の間の隣室にてのこと。母上をしりぞけた運営政府の反徒たちは、車座となり顔を寄せ合っておった。


「ヒュプノスいわく、あの修復子の誤・転生体は母上であるという。更には、その者に部分上書きをされたとのこと」


 と風神(第23人格A)が、孫悟空(第23人格C@『運ゲー野郎』)の耳目を通じて知ったことを、福ダルマ人形(第4人格)と阿修羅王(第6人格)に説明する。


「なんと。とすると、わしが受けたのも部分上書きであったか」と阿修羅王。


「自覚は無かったのか? 確かに十二分に戦えておったな」と福ダルマ人形。


「いや。実は問題はあったのだ。機体の制御コントロールに支障が生じておった。この阿修羅王の強さはオートモードのおかげよ。他方で、この制御不調が部分上書きによるものと考えれば、納得しうるところではある」と阿修羅王。


「ところで、誤・転生体が母上というのは、どういうことなのでしょう?」と雷神。


「知られておる分岐体の最大数は3。陰・陽で2体、誤・転生体に1体という形で析出したのだろう。それはそうとして、ならば、あ奴をどうするか?」と福ダルマ人形。


「これもヒュプノスいわくですが、あ奴は、ダンジョンに属する者たちを助けるために、ヒュプノスたちと対峙したと。母上の分岐体といっても、陰・陽の考えとはずいぶん異なるようです」と風神。


「そうか。まあ、そもそも誤・転生体なのだ。召喚してくれた召喚師にも懐こうし、属するダンジョンのマスターにも懐こう。召喚師の殺害を欲した陰・陽と真逆となっても、不思議ではないか。なぜ、母上はそんな分岐をしたのか?というのは、気になるところだが」と福だるま人形。


「運営使者(巨大白猫)は、せっかく同じ世に生まれたならば、殺し合うべきではない、共存の道を図るべきであろう、その相手がだれであれ、と言っておった。この今の状況が、あの者がまさに2度と析出できぬことを代償として手に入れたことを考えれば、あの者の望みというものを考える必要がありましょう」と阿修羅王。


 彼らの中で唯一今ここにおらぬ者への言及は、いやしがたい痛みを各々にもたたらしたようであったが。


「何が言いたい。はっきりと言ってくれ」と福ダルマ人形。


「とりあえず、無罪放免で良いのではないかと」と阿修羅王。


「そうですね。母上というだけで捕らえておっては、我らも陰・陽とさして変わらぬとなりましょう」と風神。そして、雷神もそれに賛意を示した。


「分かった。皆がそう言うなら、わしもあえて反対すまい。ただ、緩やかな監視というものは必要かもしれぬがな」と福ダルマ人形は結論づけた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ